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【飛ぶボール疑惑】遂にMLBの月間最多本塁打数を更新!このままどこまで飛び続けるのか?

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
MLB新記録となる月間1070本目の本塁打を放ったジャスティン・スモーク選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

もう疑いようがないだろう。MLB公式サイトでも速報記事をアップしているほどだ。

29日終了時点で6月の本塁打数は1068本を記録していた。これはステロイド時代全盛だった2000年5月に記録されていた1069本にあと1本に迫るものだった。

もちろん本塁打量産傾向は30日も変わらなかった。まずジャイアンツのデナード・スパン選手がパイレーツ戦で先頭打者本塁打を放ち同記録に並ぶと、すぐさまブルージェイズのジャスティン・スモーク選手がレッドソック戦の第1打席で今季22号3ラン本塁打を打ち簡単に新記録を達成した。しかも2000年5月よりも1日少ない6月で成し遂げてしまったのだ。

もちろんこの傾向は6月に限ったことではない。速報記事にもあるように、4月の月間本塁打数863本は、4月の月間本塁打数としては2000年に次ぐ第2位の本塁打数で、さらに5月の1060本も、今回破られた1068本に次ぐMLB史上2番目に多いものだった。つまり今季だけで、6月がMLB新記録、5月がMLB史上3位──の月間本塁打数を記録しているということになるのだ。

先月24日に「飛ぶボール」の疑惑について地元記者がマンフレッド=コミッショナーを直撃したという記事をアップさせてもらったが、コミッショナーの回答はMLB公式球を変えていないと主張しながらも、なんとも歯切れの悪いコメントを繰り返していた。もちろん納得できるようなものではなかった。

だがこうした状況証拠が揃い始めている中、さらに疑惑は広がるばかりであり、記録争いを続ける選手たちからも更なる疑念の声が巻き起こってもおかしくないだろう。

果たしてマンフレッド=コミッショナーがきちんと説明責任を果たす日が来るのだろうか?まずは公式会見が行われるオールスター戦でのコミッショナーの言動に注目が集まるところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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