20代が「結婚してもいいかな」と思える年収をさぐる
結婚のハードルの一つとして挙げられるのが金銭面のハードル。いまどきの20代は年収でどれほどの額面が確保できれば、結婚を考えるようになるだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2017年12月に発表した調査「20代の金銭感覚についての意識調査2017」(※)の結果を基に確認する。
次に示すのは択一で答えてもらった「年収がこれぐらいなら結婚を考えてもよい」とする額。棒グラフはそれぞれの回答率、折れ線グラフは累積回答率。後者はその額面なら結局どれだけの人が考えるかといったもので、例えば「300万円」と答えた人そのものは9.0%しかいないが、「年収300万円を提示されれば結婚をしようと考える人」の総計は「300万円」回答者以外に「200万円」「年収問わず」も含まれるため、累計の26.9%となる。
具体的金額区分別回答率では500万円がもっとも多く、400万円・600万円・300万円が続く。この「300万円から600万円」の層でほぼ5割。
一方累積回答率を見ると、600万円で67.7%に達している。相手の存在を含め、結婚ができる否かは他の条件も多分に絡んでくるのだが、年収だけで考えれば、600万円が確保できれば約2/3が結婚を検討するとのこと。他方、年収がいくら上がっても結婚したいとは思わない人も1割強確認できる。
同様の調査は前年、前々年も実施していることから、累積検討率を併記したのが次のグラフ。
「年収問わず」もあわせ結婚をしたいとの意欲は全体的に減少傾向にある。低年収層ではむしろ増加する傾向も見受けられたが、直近年の2017年では大きく減少。すべての層で前年から減っている。住宅や自家用車同様に若者の結婚離れ…と表現するのはあまりにも安易ではあるのだが。
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※20代の金銭感覚についての意識調査2017
2017年10月2日から5日にかけて、携帯電話を用いたインターネット経由で20代男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女・20代前半と後半の仕切りで均等割り当て。未婚者822人、既婚者178人。調査協力機関はネットエイジア。
今件における「年収」とは特に設問中で定義がされていないため、世間一般に認識されている通り、手取り(所得)では無くサラリーマンなどなら天引きされている税金や社会保険料を含めた金額を意味するものとする。また、世帯「主」年収では無く、世帯年収であることに注意。回答者が世帯持ちだった場合、配偶者の収入も合わせて計上される。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。