Yahoo!ニュース

オランダリーグ月間最優秀若手選手の菅原由勢「今年は欧州をあっと驚かせる」

中田徹サッカーライター
菅原由勢(左)とエーンホールンAZ社長 【(C)Eredivisie】

 オランダリーグは1月28日、「菅原由勢(21歳/AZ)がヨハン・クライフ・タレント・オブ・ザ・マンスに選ばれた」と発表した。これはスタッツとファンの投票によって選ばれるもの。さらに菅原は右ウインガーとして『1月のベストイレブン』に選出された。

 1月の菅原の活躍を、オランダリーグの公式リリースは以下のように記す。

「菅原は本来、右サイドバックの選手だが、AZのパスカル・ヤンセン監督は彼のことを定期的に右ウインガーとして抜擢している。そのことが年明け最初の試合となったフォルトゥナ・シッタルト戦での1−2の勝利となって報われた。1週間後、菅原は右SBとしてプレーしたが、カンブール相手にスコアーレスドローに終わった。

 彼のコンバートは明確にスタッツに反映されている。1月、オープンプレーからのクロスの成功本数(4本)で菅原より勝ったのは、エリ・ダサ(フィテッセ)だけだった。守備面では菅原のタックル成功回数(5回)とボール奪取回数(19 回)は最多だった。

 タレント・オブ・ザ・マンスに加え、菅原は“フリンデン・ロテライ(注:オランダの宝くじ)”から2種類の小切手を受け取った。そのうち2500ユーロはAZの社会貢献プロジェクトに、5000ユーロはヨハン・クライフ財団のプロジェクトで役立てられる。これらのお金はAZ の本拠地であるアルクマール地域に住む心身に不自由な子どもたちのための、スポーツ用品購入などに使われる」

 1月のベストイレブンにはAZから菅原の他、CBブーケマ、左SBワインダルも選出された。

オランダリーグ1月月間ベストイレブン 【(C)Eredivisie】
オランダリーグ1月月間ベストイレブン 【(C)Eredivisie】

 今季の菅原はAZの公式戦に全試合出場中。昨年12月から右ウイングとしてプレーする機会が増え、ウインターブレーク中の合宿でも右ウイングとして準備してきた。そして第19節、1月16日の対フォルトゥナ・シッタルト戦では、待望の今季初ゴールを左足で記録した。

「左足シュートは試合前日、しっかり練習していたんです」(菅原)

 しかし、CB陣に負傷者が続出したことから1月19日のKNVBカップ準々決勝、対トゥエンテ戦(1−2でAZの勝利)から菅原は右SBに復帰。22日のリーグ戦、対カンブールは0−0に終わったものの、攻守に奮闘したことが認められフットボール・インターナショナル誌の週間ベストイレブンに選出されていた。

 今年の目標について、「今シーズンはここまで全試合に出場できてるので、全試合に出るということ。そしてチームとして、リーグ戦では上に行けるところまで良い順位を取りに行く(現在5位)ということ。KNVBカップでは優勝を狙いたいし、カンファレンス・リーグではヨーロッパをあっと驚かせる結果を残したい。フォルトゥナ・シッタルト戦でゴールを決めましたが、もっとゴールとアシストを増やしていけば、チームとしても個人としてもプラスになる。頭の中を簡潔にして、シンプルにプレーできてますので、今は悪くないという感覚がありますね」と菅原は語っている。

 次の試合は2月5日、PSV(2位)とのアウェーマッチだ。

「俺、ビッグクラブとのアウェーゲームって相性良いんですよね」と菅原は、12月12日にヨハン・クライフ・アレーナでアヤックスを0−1で破ったときの再現を狙っている。

オランダリーグ1月最優秀選手に選ばれたのはフェイエノールトのMFコクチュ 【(C)Eredivisie】
オランダリーグ1月最優秀選手に選ばれたのはフェイエノールトのMFコクチュ 【(C)Eredivisie】

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

中田徹の最近の記事