Google、伸びる「Made by Google」製品:『AIファーストの企業になってきた』
Alphabetは2018年2月1日、傘下のGoogleの2017年第4四半期(10~12月)の決算を発表した。
伸びる広告以外の収入
Alphabetの2017年第4四半期の連結売上高は前年同期比24%増の323億2300万ドル(約3.5兆円)で、純利益は28%増の68億3700万ドル(約7,500億円)。
Alphabetの売上の99%以上がGoogleだ。そのGoogleの売上高は前年同期比24%増で319億1400万ドルで、純利益は11%増の87億6300万ドルだった。Google事業にはGoogleの検索やYouTube、Android、アプリ、クラウド、Google Play、ハードウェアなどが含まれる。特にモバイル向けの広告とYouTubeが絶好調なことも例年通りである。
Googleを支える広告収入は同22%増の272億2700万ドル(約3兆円)で、Googleの売上の約85%を占めている。従来からの広告依存のGoogleの売上構造は変わっていないものの、以前は90%以上が広告の売上だった。最近では、Google Play、YouTube Red、「Google Home」などハードウェアなど広告以外の売上が増加している。年々少しずつだが広告以外の売上が増加しており、Googleの収益構造が着実に変わろうとしている。
「それ以外の事業」はGoogle Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capital、Xなど多額の投資が必要な事業だ。売上高は前年同期比56%増の4億900万ドルだったが、営業損失は9億1600万ドルの赤字で前期よりも1億400万ドル拡大している。売上高の伸びは好調だが、投資コストも多大なことから、まだ赤字は続くだろう。
「Googleは『AIファーストの企業』になってきた」
GoogleのピチャイCEOは今回の業績発表で「Made by Google」のハードウェア関連の出荷台数が前年同期から倍増したことを明らかにした。前期の業績発表時にも、Googleが2017年10月に発表した最新スマホ「Pixel 2 XL」について「予約数は昨年の2倍以上で、多くの国での販売を予定している」とコメントしていた。Googleは2017年9月に台湾のスマホメーカーHTCのハード事業の買収を発表していたが、その買収が2018年1月に完了している。
また同氏は人工知能(AI)を活用した音声アシスタントが既にスマホやGoogle Homeなど4億台以上のデバイスに搭載されていることを称賛し「Googleは『AIファーストの企業』になってきた」と語っている。Googleは2017年12月に、同社にとって中国で初めてのAIの研究所を北京に開設することを発表している。
現在のアメリカでは従来のようなWebベースのソフトウェアやAI関連のサービスは飽和している。Googleの動向からも、ソフトウェアやサービスとハードウェアを組み合わせたトータルでの「プロダクト&サービス」の提供が求められていることがわかる。
消費者の手元に届くのは製品(プロダクト)であり、ハードウェアである。ハードのデザインから設計、開発、そしてサービスとしてのソフトウェア、AIを活用したサービス、アプリまで一気通貫して提供していく時代になってきている。
▼「Made by Google」の紹介動画(Google)