DPワールドツアー(欧州ツアー)がリブ参加選手への制裁発表。3大会は出場不可、罰金約1660万円!?
DPワールドツアー(欧州ツアー)のキース・ペリー会長は6月24日(米国時間)、ゴルフ界を揺るがしている新ツアー「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の初戦に出場した選手たちに対する制裁をようやく発表した。
6月9日から11日にロンドンで開催されたリブ・ゴルフの初戦に出場したDPワールドツアーの選手は、全英オープン前週のジェネシス・スコティッシュ・オープン(7月7日~10日)と同週開催のバーバソル選手権、その翌週のバラクーダ選手権(7月14日~17日の3大会への出場が禁じられ、さらに10万ポンド(約1660万円)の罰金も科されることが決まった。
ペリー会長いわく、「ルールを破ったら、それなりの結果を招くことは、ゴルフの世界に限った話ではない」。
今後、さらなる“掟(おきて)破り”があれば、「罰金が倍増されるなど、今回以上のペナルティが科されるだろう」と英国メディアは見ている。
リブ・ゴルフ初戦に出場した選手たちに対し、PGAツアー(米ツアー)のジェイ・モナハン会長は即刻17名のツアー・メンバーにサスペンデッド(資格停止)処分を科したが、一方で、DPワールドツアーのペリー会長は今週のBMWインターナショナル・オープンへのリブ・ゴルフ参加者の出場を許可した。
そのため、BMWインターナショナル・オープンには、リブ・ゴルフ初戦に出たセルジオ・ガルシア、マーチン・カイマー、ルイ・ウエストヘーゼンらが出場しているのだが、その真っ只中で、ペリー会長は彼らに対する処分を決定し、発表した。
とはいえ、彼らが「出場不可」とされたジェネシス・スコティッシュ・オープン、バーバソル選手権、バラクーダ選手権の3大会は、いずれも米欧両ツアーの共催大会だ。
言い換えると、ペリー会長がリブ・ゴルフに参加したツアー・メンバーの出場を禁じたのはPGAツアーとの共催である3大会のみで、それ以外のDPワールドツアー独自の大会に関しては、まだ彼らを受け入れるとも受け入れないとも決めておらず、今回発表された制裁はあくまでも「暫定的、限定的な処置」ということになる。
DPワールドツアーがリブ・ゴルフ出場選手たちをPGAツアーとの共催の3大会では「受け入れない(出場不可)」と決めた背景には、昨年締結した米欧両ツアーの戦略的提携の契約がある。
グレッグ・ノーマンが打ち出した新ツアー創設構想に対し、「米欧両ツアーは手を取り合って対抗していこう」ということで交わされた契約だ。
その契約があるがために、DPワールドツアーはPGAツアーと足並みを揃える形で、米欧両ツアー共催3大会に関してはリブ・ゴルフ出場選手たちは「出場不可」と決めたのだろう。
しかし、ツアー・メンバーとしての資格を即刻停止したPGAツアーの強硬な制裁と比べると、DPワールドツアーの制裁は、良く言えば「慎重」、悪く言えば「弱腰」「曖昧」という感は否めない。
1週間前、ペリー会長がリブ・ゴルフ出場選手たちを今週のBMWインターナショナル・オープンに「出場可能」と決めた時点で、米ゴルフ界では米欧両ツアーの戦略的提携が「形骸化した」などと批判の声が上がっていた。
そんな中、PGAツアーのモナハン会長は6月22日に会見に臨み、米欧両ツアーのアライアンスは「より強まっている」「何の心配もない」と語った。
今回のペリー会長の制裁発表は、そうした流れを受けてのものだと思われる。
だが、今後、さらなる注目が集まるのは、PGAツアーとの共催大会ではなくDPワールドツアー独自の大会でリブ・ゴルフ出場選手の出場を今後も許可するのか、それとも「出場不可」とするのかどうかである。
ちなみにDPワールドツアーの選手たちが科される罰金に関しては、リブ・ゴルフは「払わない」と英国メディアに明かしたとのこと。
ただし、リブ・ゴルフ出場選手が古巣のツアーと法廷で闘うことになったら、その訴訟費用はリブ・ゴルフが選手に代わって負担するそうである。