ヤクルト近藤一樹、今日からの楽天戦で「全12球団ホールド」達成なるか
東京ヤクルトスワローズは今日、6月11日から東北楽天ゴールデンイーグルスとの3連戦に臨む(第1戦=郡山、第2、3戦=楽天生命パーク)。このカードで「全12球団ホールド」達成に期待がかかるのが、プロ18年目の近藤一樹(35歳)である。
ヤクルトに移籍したからこそ狙える記録
日大三高のエースとして2001年夏の甲子園で優勝投手となった近藤は、その年のドラフトで大阪近鉄バファローズから7巡目指名を受けてプロ入り。球団合併に伴って2005年からオリックス・バファローズの一員になると、その後は主に先発として活躍し、2008年には自己最多の10勝(7敗)をマークした。
その近藤が初めてホールドを記録したのは、2011年6月9日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)。この年、6月に右ヒジ痛から復帰してしばらくはリリーフで投げており、この試合も1対1の同点で迎えた5回2死から2番手として登板。1回2/3を無失点に抑えた。
これがオリックス時代に挙げた唯一のホールドになるのだが、運命のいたずらか2016年7月のトレードで、初ホールドの相手だったヤクルトに移籍。新天地では8試合に救援登板するもホールドは付かなかったが、翌2017年はリリーフとして自己最多の54試合に登板し、14ホールドをマークした。
救援に専念するようになった近藤がその“励み”として見据えたのが、全12球団からのホールドである。これはオリックス時代にヤクルトからホールドを挙げ、そのヤクルトに移籍したからこそ狙える記録であり、中継ぎとして大事なところで起用されていけば達成は十分に可能。この年はさっそくセ・リーグの残り5球団からホールドを記録し、まずはセの全球団を制覇。セ・パ交流戦でも、福岡ソフトバンクホークス、北海道日本ハムファイターズとの試合でホールドを手にした。
セ6球団、パ5球団を“制覇”し、残るは楽天のみ
2018年は主にセットアッパーとして球団タイ記録の74試合に投げ、7勝35ホールド(42ホールドポイント)で、プロ17年目で初のタイトルとなる最優秀中継ぎ投手賞を獲得。交流戦では千葉ロッテマリーンズ、古巣・オリックス、そして埼玉西武ライオンズからもホールドを記録し、残すは楽天のみとなった。
ホールドとは一定の条件を満たした中継ぎ投手に与えられるもので、メジャーリーグと違い、日本の場合は同点の場面で登板しても条件を満たせば記録される。ただし、その投手に勝利が付く場合は、そちらが優先されることになる。今年6月9日のオリックス戦(神宮)で、近藤は3対3の同点で迎えた6回表に2番手としてマウンドに上がって3者凡退に抑えたが、その裏に味方が勝ち越してそのまま勝利したため、ホールドではなく勝利が記録されている。
今季の近藤はここまで27試合の登板で10ホールドだが、このところはリードされた展開での出番も多い。ビハインドのままではいくら抑えてもホールドは付かないため、楽天との3連戦ではどのような場面で登板するかも注目される。
なお、ヤクルトの投手では今季10年ぶりに復帰した五十嵐亮太が、ソフトバンク時代にこの記録を達成している。