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【京都市】東山区「両足院」現代美術の展覧会「悲とアニマⅡ~いのちの帰趨~」

高津商会RICALIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

建仁寺・塔頭「両足院」

現代京都藝苑2021による現代美術の展覧会「悲とアニマⅡ~いのちの帰趨~」が、建仁寺塔頭・両足院とThe Terminal KYOTOの2会場で11月28日まで開催中♪

 2015年3月に北野天満宮で開催した現代京都藝苑2015「悲とアニマ」展は、伝統的な日本的感受性とは何かを理論と実践の両面から考察する日本学術振興会科学研究費助成事業「モノ学・感覚価値研究会」の活動の一環であった。当時、2011年3月11日に発生した東日本大震災の記憶が徐々に薄れつつある中で、改めてそれがもたらした衝撃と向き合い、そこから名もない全ての生の悲しみに心を寄せつつ、社会の安寧と賦活の方向性を模索する現代美術の展覧会であった。
 2020年、私達は新たに新型コロナウィルス禍に見舞われた。これまで盤石と思われていた近代文明が想像以上に脆弱であり、誰もが底知れぬ不安に包まれる中で、今改めて本当に大切なものとは一体何かが問われている。古今東西の叡智が教えるように、生の充実は死と向き合う中にあり、そこにこそ伝統的な日本的感受性も自ずから現代的なかたちで立ち現れるのではないだろうかと思われる。
 この観点から、東日本大震災から10年目の2021年に、現代美術の展覧会「悲とアニマⅡ~いのちの帰趨~」展は開催される。第1会場である建仁寺塔頭・両足院では「彼岸」を、第2会場であるThe Terminal KYOTOでは「此岸」を象徴する展示を行う。(秋丸知貴)(HPより)

建仁寺さんはすでに紅葉が見頃、とっても綺麗で観光客も修学旅行生も多く賑わっていました。早速、私の大好きな写真家で表現者であり、また独自の世界を繰り広げるクリエイター、勝又公仁彦先生の作品を中心に展示会を拝見しに行きました。

悲とアニマⅡ~いのちの帰趨~

現代京都藝苑2021による現代美術の展覧会「悲とアニマⅡ~いのちの帰趨~」(The Return Destination of Life展)が、建仁寺塔頭・両足院とThe Terminal KYOTOの2会場で開催中。まずは「両足院」さんからご紹介♪(平素は非公開である両足院さんに以前伺った際のアート関連の記事はこちら→ https://creators.yahoo.co.jp/kozushokairica/0100138846 ご参照くださいませ)

入り口で拝観料を支払い、中に入ると見事に手入れされたお庭が迎えてくれます。この砂山の円いのと石の四角い感じ、その周りに描かれた直線と曲線がたまりません♪

まずは、大舩真言作のWaveがお迎えしてくれました。大きな波に見えるか小さな波に見えるか、はたまた波は女性には神秘的で生理的な意味をもたらすためか母性を私は感じました。

靴を脱ぎ、仏間に入ると見事な池坊由紀さんの生花アートと畳のコラボ、そして岡田さんや松井さんの作品が一気に目に入ってきました。

その奥まったお部屋にも大舩さんの作品が飾られ、宇宙観を表すかのように、私が好きな贅沢に空間を利用した演出です。

紅葉が綺麗な庭を愛でながら水面に映る色とりどりの模様を横目に池の方へ。

そこには、今まで見たことのない日本庭園の中に佇むオブジェたち。近藤さんの作品はまるで釣りをしているかのようであり、瞑想中のような邪魔をしてはいけないある種の緊迫した空気を出しておられました。

時間が経つにつれ変化する角度や光によってとっても雰囲気が変わります。色によって表情も変わりますね♪ 今まで何度も訪れ見ているお庭が違った顔を出してくれました。また茶室「臨池亭」でも近藤さんの作品が見れました。

大書院では大西さんのTsunamiという題の映像と停止した時計、入江さん、小清水さん、関根さん、村井さん、成田さん、吉田さんらの作品が続きます。

金魚の映像に、天井からぶら下がった電気のカサが写り込むことで、より金魚の行動範囲が限られたように私には見えましたw

勝又公仁彦インスタレーション「再び森が薫る」「Eternal Commons」。

勝又ワールドが炸裂してます。さすが!鎌田教授の「合一」という作品と共に床の間を上品にかつ、存在感ある内容で飾っています。まるで作品が一体化して、床の間で神格化されています。

セミを金銀に色付けお米と一緒に床の間に飾るセンスに脱帽。静の象徴であるはずのそこに生のエネルギーが生まれ、それをまるで祝っているかのようです。

もうこちらの作品は、一つ一つ説明をして頂いても時間が足りない〜。お写真は90年代の作品で、当時、現像したものに上からニスを塗り、銅や鉄などを部分的に使ったと。

日本だけでなく海外からインスパイアされ持ち帰ったクリスタルたちもディスプレイされ、原始的な森の印象を醸し出す中に、ひっそりと昔を思わせる映像が見え隠れします。そこから時折音が聞こえてきて、ふと現代現実に引き戻される。また木造の高い天井と、床に置かれた松ぼっくりやドライフラワーたちの組み合わせ、そして大分でつい先日ゲットしたという貝殻の塊が、より時空を変化させつつ、ベルベット調の青い海の上でその空間を特別なものにしています。現代アートでありつつも一種のアートセラピーのようにも感じました。

東京銀座や六本木のギャラリー、関西各地の展示会に何度か訪れ、また私がプロドゥースした高級ホテルでのクリスマスイベントにも作品を提供して頂いたり、勝又作品には精通しているつもりでしたが、圧巻でした。動画インタビューを受けていた勝又さんと中庭の様子も素敵♪

気がつくともう日がくれ始めており、受付には、鎌田教授と大舩さんがいらっしゃいました。

海外の話から好きな物(鎌田さんは緑が好き!)まで、なかなか楽しいお話は尽きず、別れがたくもありましたが再開をお約束して足取り軽く建仁寺の境内を後にしました。

ー非のみやこ おきてやぶりの 雷光と ともに翔けゆけ アニマの鳥よー(鎌田東二)

私が『高津商会』という日本映画界を作ってきた老舗会社ならではの伝統や日本文化を重んじながら、現代のこの世でなにができるかをいつも考える中で、今回のこの展示会には、いいインスピレーションを与えてもらえました。

禅寺で「生きること」をアートを介して立ち止まり、綺麗な紅葉の日本庭園を愛でながら、一瞬でもフッと感じるきっかけになりますよ♪

■会期:2021年11月19日(金)~11月28日(日) 10日間
■第1会場:両足院
(京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591)
 時間:10:00~16:00(※但し11月19日は12:00~16:00)受付終了は30分前
 予約不要 入場有料(両足院拝観料)
 一般1,000円 中高生500円 小学生以下無料
http://kyotocontemporaryartnetwork.web.fc2.com/introduction2021.html

LIFE&文化芸術☆プロデューサー/ジャーナリスト(京都市)

京都で生まれ育つ。世界各地を周遊、欧米中心に20年ほど滞在し京都に帰還。日本のコアな伝統文化や芸能、神社仏閣や裏歴史、催事らを国内外の旅サイト・雑誌・新聞で執筆。経験に基づく“陰謀説”の電子書籍出版あり。フォトジャーナリスト、写真映像家、音楽・イベントプロデューサー、特殊ツアープロデュース・ガイドから日本庭園庭師までマルチに活躍。日本映画の発祥時より美術に携わってきた”ジャパニーズハリウッド”京都太秦にある老舗『髙津商会』にて映画・美術装飾・アート&エンタメ、海外事業に携わりつつ伝統文化・芸能などに関わる史実や古美術らについて勉強中。『京愛』や『日本愛』を深め世界進出を夢見る毎日。

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