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意外に簡単!『感染防止徹底宣言ステッカー』の申請方法のやりかたとは?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:東京都 東京都防災ホームページ

KNNポール神田です。

2020年7月30日(木)、東京都から、酒類を提供する飲食店とカラオケ店のサービス事業者にしぼり、時短要請が再度発令された。

今回は事業者に20万円の協力金が出るそうだが、『感染防止徹底宣言ステッカー』を掲示していることが条件とされている。

□新型コロナウイルス感染者の増加を受け、東京都の小池百合子知事は(2020年7月)30日、臨時記者会見し、都内で酒類を提供する飲食店とカラオケ店に対し、営業時間を午後10時までに短縮するよう要請すると発表した。応じた事業者には協力金20万円を支給する

□要請期間は8月3~31日で、営業時間を午前5時から午後10時まで

□対象は業種ごとの感染拡大防止ガイドラインを守り、都の「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示している店

□対象事業者は4万件程度を見込んでおり、予算規模は約80億円

出典:都が酒類出す飲食店とカラオケ店に時短営業要請 午後10時まで、協力金は20万円

そこで、この『感染防止徹底宣言ステッカー』を掲示する流れをたったの3分でわかるように紹介したい。

飲食関連の事業者でもスマートフォンでもこの『感染防止徹底宣言ステッカー』を問題なく発行できるかどうかの検証と評価目的の為でもある。

感染防止徹底宣言ステッカー|東京都防災ホームページ

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1008262/1008420/index.html

■申請方法から掲示までの4つのステップ

大きくわけて、4つのステップがある。

感染防止対応ができていれば、所要時間はプリントアウトできるデータは30分もあれば出力できる。

想像以上にカンタンという印象だ。

A.感染防止業種別チェックシートの理解

B.チェックシート未対策項目の実施

C. 登録フォームの申請

D. プリントアウトして掲示

以上

■A.感染防止業種別チェックシートの理解

業種にかかわらず、1〜5の項目は全業種共通

1.手洗いの徹底・マスクの着用

2.ソーシャルディスタンス(できるだけ2mの距離を保つ)

3.「3つの密(密閉、密集、密接)」を避けて行動

4.施設の清掃・消毒

5.利用者・従業員の体調管理

6.業界ごとの個別チェック項目 

PCなどではリストは閲覧できるが、スマートフォンではほとんど解読不明だ。PDFデータに頼る方法は一考すべきだ

□業種別チェックリスト

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1008262/1008429/index.html

□全業種共通ガイドライン

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/06/12/documents/23_01.pdf

■B.チェックシート未対策項目の実施

1〜6までの業界ごとの個別チェック項目の未対策部分を実施する

■C. 登録フォームの申請『感染防止徹底宣言ステッカー作成フォーム』

感染拡大防止チェックシート 出典:東京都
感染拡大防止チェックシート 出典:東京都

a.利用規約を読んで同意ボタンにチェック

 ・利用規約に同意します。※必ずご一読ください。

 ・事業者名や住所等の情報をHP等に公開する可能性があることに同意

 ・従業員や事業の関係者が体調不良を申し出た場合や濃厚接触の疑いのある場合は積極的に必要な検査の受診を勧めます。

 ・チェックシートの申告どおりに感染症防止対策を実施します

 ・東京都又はその指示を受けた者が施設を訪問し、感染防止対策について直接確認することを求めた場合には協力します

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1008262/1008420/1008427.html

b.『感染防止徹底宣言ステッカーはこちら』のバナーをクリック

感染防止徹底宣言ステッカー申請フォーム出典:東京都
感染防止徹底宣言ステッカー申請フォーム出典:東京都

※リンク先のバナーをクリックするとこちらにジャンプする。

https://form.kintoneapp.com/public/form/show/312aab75f30cf99972ef4191cb80262aaf1532bf4922809924c4268f8d1b7577

※URLから『kintone』を使っていることがわかる

c.3ステップの簡単なフォーム

チェックシート項目をうめていくだけ 出典:東京都
チェックシート項目をうめていくだけ 出典:東京都

チェック項目はおおいが、シンプルなチェックシートを埋めていくだけ。

三番目に記入するところが、ステッカーに印字される。

ここの名前を注意してタイプする『同上』とか省略してはいけない 出典:東京都
ここの名前を注意してタイプする『同上』とか省略してはいけない 出典:東京都

d.すべてのチェック項目にチェックを入れる。

チェックリストすべてにチェックをいれる 出典:東京都
チェックリストすべてにチェックをいれる 出典:東京都

不明点は各業界団体へのウェブサイトへ質問するという流れになっている。

e.出力プリントアウト

出力用画面 出典:東京都
出力用画面 出典:東京都

■D. プリントアウトして掲示

店名入りの感染防止徹底宣言ステッカーが完成 出典:東京都
店名入りの感染防止徹底宣言ステッカーが完成 出典:東京都

『感染防止徹底宣言ステッカー』が完成だ。

想像以上に簡単だった。プリンターがあれば、あとは、店頭で提示するだけだ。

同時に整理番号も発行される。

プリンターがない場合は、こちら

※コンビニプリントのやりかたを説明

※郵送で送るなんて行政サービスをやらなくなったのは正解だろう。

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/420/2020073002.pdf

「感染防止徹底宣言ステッカー」作成フォーム

https://form.kintoneapp.com/public/form/show/312aab75f30cf99972ef4191cb80262aaf1532bf4922809924c4268f8d1b7577

【追記】感染防止ステッカー掲載店リストが、Microsoftの『PoserBi』ツールで掲示されるようになった

東京都感染拡大防止徹底宣言 登録店舗マップ

2020年7月29日で6万8380事業者の登録 出典:東京都感染拡大防止徹底宣言 登録店舗マップ
2020年7月29日で6万8380事業者の登録 出典:東京都感染拡大防止徹底宣言 登録店舗マップ

2020年7月29日で6万8380事業者の登録

https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1008262/1008420/index.html

iOS版

https://app.powerbi.com/view?r=eyJrIjoiMDQ1ODljNWEtOGNkYi00NmYwLThjZDgtMjYyN2E1MTczMzg3IiwidCI6IjBmYzdjMGFlLTU4ODMtNDMxNi05ZjlhLTU2ZTAzYWJiMTgyMyJ9&pageName=ReportSection821f0126a38520802d50

Android版

https://app.powerbi.com/view?r=eyJrIjoiYjllZTk4MDktNDRlNi00MWZmLWEzMTctMmQ5NWEwM2EzNWEzIiwidCI6IjBmYzdjMGFlLTU4ODMtNDMxNi05ZjlhLTU2ZTAzYWJiMTgyMyJ9&pageName=ReportSection821f0126a38520802d50

■シンプルで簡単に誰もがステッカーを作ることができる。しかし…。

東京都の五輪都市ボランティア募集フォームなどと違い、今回の「感染防止徹底宣言ステッカー」作成フォームは非常によくできていると感じた。しかし、20万円の協力金の付与条件となった以上、すみやかに、電子マネーで協力金を支払えるスキームも作っておくべきだろう。国の『マイナンバー』なども自治体が窓口で発行しているので、事業者用のマイナンバーカードがあればステッカーを掲示した写真を使い、事業者の本人確認ができていればすみやかに交付できるようにできるだろう。また、目視で、都職員が『感染防止』を確認するとかではなく、口コミサイトなどとの強力で、防止ができているかどうかの投稿ページも評価の対象とするなどもできるだろう。

国税、都税などの取り上げるスキームは強固だが、このような給付金や協力金、義援金をデジタル上でスムーズにかつスピーディーに安全に公平に行きわたるような『シチズン・テック』のあり方は非常に重要だろう。

残念なところは、PDFファイルでのチェックリストにしなければ、スマートフォンでも対応できたところが惜しい…。一般向けの場合には、スマートフォンでもダブルチェックする体制をぜひとも取りれてほしい。

また、都でフォームを作り込むのではなく、キントーンのようなサービスを活用したり、プリンターがない人用に郵送で対応せず、コンビニプリントを利用するようにアウトソースするのは、新たな行政のしくみとして期待が持てた。どういった経緯でその事業者が選ばれたのかも明確にわかるようにしておけば、よりよいサービスの競合からの提案も受けられ、結果としてコスト減となり、税の有効活用にもあたることだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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