熱中症での救急搬送人員数は1週間で996人(2020年6月29日~7月5日)
・直近週における熱中症による救急搬送人員数は996人(2020年6月29日~7月5日)。
・年齢階層別では新生児が0.1%、乳幼児が0.9%、少年が9.9%、成人が28.8%、高齢者が60.2%。
・地域別では東京都の84人がもっとも多く、次いで埼玉県の72人。
総務省消防庁は2020年7月7日、同年6月29日~7月5日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が996人(速報値)であることを発表した。消防庁が確認している今年の累計人員数は6888人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では幸いにもゼロ人だったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は12人が確認されている。なお前年2019年の同時期における熱中症による救急搬送人員数は933人(確定値)で、今回週の人員数はそれと比べると63人多い。
昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし震災から9年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。
また2020年5月時点で気象庁が発表していた最新の夏季予報では、平均気温は平年と比べてやや高め(東・西日本と沖縄・奄美では高く、北日本では平年並か高い)との話だった。降水量は全国的にほぼ平年並との予想と合わせると、熱中症リスクの観点では要注意な状況と判断できる。さらに今年は新型コロナウイルスの流行で、マスク着用を求められる場面が多いことから、熱中症には一層の注意が必要となる。
本来消防庁では昨年と同じように今年においても、熱中症による救急搬送人員数の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月27日から開始する形で、逐次報告を行うはずだった。ところが新型コロナウイルス流行へ対応する消防のリソースを最優先するために開始が延期され、調査開始は6月初日が含まれる週の月曜となる6月1日からとなった。消防庁では熱中症による救急搬送人員数の調査は2015年以降では5月から開始しており、6月から開始するのは2014年以降6年ぶりのこととなる。なお終了日は9月末日が含まれる週の週末の予定。
今回発表された各種値は今年の分としては第5週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。
地域別では東京都の84人をはじめ、埼玉県の72人、愛知県の67人、大阪府の58人などが人数の上で上位についている。
消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな官公庁の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局))。
7月に入り、日中の日差しも強くなり、熱中症のリスクに留意しなければならない時期が到来した。今年は新型コロナウイルスの流行という特殊要因が加わっており、熱中症のリスクは確実に積み増しされている。今後も知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。
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