熱帯低気圧はじわじわ移動…雷雨エリアから抜ける地域は?フェーン現象による猛暑も:気象予報士解説
9日に沖縄付近と日本の南東海上にそれぞれ発生した熱帯低気圧は、10日以降もじわじわと北または西へ進む見通しです。
特に沖縄付近の熱帯低気圧は、すでに沖縄本島で大雨になっているほか、西日本~東日本の太平洋側でも局地的に雨をもたらしていて、10日も激しい雷雨になるところが出てきそうです。
さらにこの暖湿気を運ぶ風は、日本海側に吹き降りることでフェーン現象を引き起こし、気温を押し上げる予想。雷雨になりやすいエリアと、南東海上で発達する熱帯低気圧の見通しも含めて気象予報士が解説します。
10日も急な雨と雷に注意!
10日は沖縄付近で雨が降りやすい状態が続き、九州~本州の太平洋側でも局地的な雷雨がありそうです。
特に西日本と東海、それに関東内陸で発雷確率が高くなっていて、九州南部・四国・紀伊半島の南東に開けた斜面で降水量が多くなりそうです。
関東南部の平地では大気が安定に向かい、雷雨エリアから抜け出しそうです。
なお、熱帯低気圧周辺からからやってくる暖湿気が山を吹き降りる形になる日本海側の地域では、フェーン現象によって高温の空気が流れ込む見通し。気温が押し上げられ、各地で35~36度の最高気温が予想されています。
晴れマークは多いけど…南東海上の熱帯低気圧は台風へ
このさき晴れ間の出るところが多いものの、明日11日(木)は北海道に寒冷前線が近づき、激しい雨になるところがあるでしょう。
また沖縄では11日(木)にかけても熱帯低気圧の雨雲がかかるほか、本州付近でも熱帯低気圧周辺から流れ込む暖湿気の影響で雷雨が起きやすい状態が続くでしょう。
さらに、日本の南東の海上を進む別の熱帯低気圧(上図のa)が、台風へと発達しながら、ほぼ同じルートを通って来る可能性があり、沖縄では週末頃から再び影響を受けるおそれがあります。
こちらの熱帯低気圧aの進路や発達具合についてはまだ予報に幅があるものの、現在沖縄付近にある熱帯低気圧と同様に沖縄だけでなく本州付近にも影響を及ぼしそうなので、最新の情報を確認してください。
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