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次回朝ドラにも出演!タダモノではない注目の子役

山田美保子放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー
次回朝ドラで注目の子役・松本来夢ちゃん

『ゲゲゲの女房』の向井理や窪田正孝、『純と愛』の吉田羊、『あまちゃん』の橋本愛や松岡茉優、『ごちそうさん』のキムラ緑子や高畑充希、『花子とアン』の吉田鋼太郎……。

NHKの連続テレビ小説=朝ドラは、特に8時スタートになってからというもの、ヒロインより脇役に注目すると、より楽しく観られるという傾向にある。

3月9日、NHKで主要キャスト出席のもと、記者会見が行われた平成27年前期の『まれ』(30日スタート)では、まず、ヒロイン・土屋太鳳(つちや・たお)の幼少期を演じる子役、松本来夢(まつもと・らむ)ちゃんにスポットライトが当たりそうだ。

重要な役どころで出演

私が彼女を見つけたのは昨秋のこと。来夢ちゃんは、「嵐」の相葉雅紀主演の映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』でヒロイン、榮倉奈々の幼少期を演じていたのだ。その後は、石井一久・木佐彩子夫妻が出演している「プリンス グランドリゾート」のテレビCMで2人の娘役として。今年に入ってからは、『相棒13』(テレビ朝日系)で老舗ヴァイオリン工房を舞台にした「アザミ」というタイトルの回で笹本玲奈の幼少期を演じているのも見つけた。この「アザミ」で来夢ちゃんは一人二役に挑戦。ドラマの鍵を握る重要な役どころだった。

また、岸本加世子主演の『赤と黒のゲキジョー「おばさん弁護士 町田珠子」』(フジテレビ系)でも、来夢ちゃんは重要な役を務めていた。娘(来夢ちゃんの姉役)を亡くし、その現実からなかなか抜け出せない母は愛犬を溺愛することで悲しみを癒そうとする。そんな母は自分のことを全く見てくれていない…と誘拐事件を企むという本当に難しい役だった。

子役としては“遅咲き”

学年は、芦田愛菜、鈴木福、小林星蘭、谷花音らがそろう“子役ゴールデン・エイジ”よりも1つ上。しかもデビューは昨年と、子役としては“遅咲き”であるせいか、松本来夢ちゃんの役は、ただカワイイというよりは、神秘的で物静かな役が多いように思う。

というワケで、子役というよりは、『あまちゃん』で再ブレイクした薬師丸ひろ子のデビュー時に「似ている」と現場で評判だという。

セーラー服を着るにはまだ早い年齢だが、早く中学生役をしてほしいし、10代の頃の薬師丸や斉藤由貴、菊池桃子のように、女優だからこそ歌える歌にも挑戦してほしいと思っている。

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タダモノではない…

来夢ちゃんの特技はジャズダンス、空手、殺陣(たて)と、どこか昭和っぽいし、憧れる女優さんは「吉行和子さん」と、とても渋い。瞳の大きな活発な美少女なのに、陰のある演技ができて、芯の強さも感じられる。マネジャーさんによると、「オーディションに連れて行くと、一瞬で場の空気が変わる」のだとか。審査員にも「この子はタダモノではない」という雰囲気が伝わるのだろう。

所属事務所も大手ではないし、長年、子役を手がけているプロダクションでもないのだが、独特な雰囲気と存在感、そして確かな演技力で次から次へと仕事が舞い込んでいる状態なのである。

ブレイクの予感

そんな来夢ちゃんがつかんだのが、朝ドラ『まれ』のヒロインの幼少期役だ。あの加藤清史郎や濱田龍臣、鈴木梨央、そして、芦田愛菜らは、同じNHKの大河ドラマで主人公の幼少時代を演じ、泣きの演技の巧さが話題となり子役界でのポジションを不動のものにしていった。

一方、朝ドラでヒロインの幼少期を演じる子役は、“第一週”こそメインだが、その後、登場することがほとんどないため、視聴者に忘れられてしまうケースが少なくない。

しかし、来夢ちゃんは『まれ』で顔を売って、さらに、さまざまなドラマや映画からオファーが来る予感がしてならない。

松本来夢の名前と顔、覚えておいて損はないと思う。

放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー

1957年、東京生まれ。初等部から16年間、青山学院に学ぶ。青山学院大学文学部日本文学科卒業後、TBSラジオ954キャスタードライバー、リポーターを経て、放送作家・コラムニストになる。日本テレビ系「踊る!さんま御殿!!」、フジテレビ系「ノンストップ!」などの構成のほか、「女性セブン」「サンデー毎日」「デイリースポーツ」「日経MJ」「sippo」「25ans」などでコラムを連載。「ドデスカ+(プラス)ドデプラ」(名古屋テレビ)などに、コメンテーターとしてレギュラー出演している。

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