中国Coolpad、アマゾン限定で「インド初の指紋認証スマホ」販売:インドでスマホ製造も開始
中国のスマートフォンメーカーCoolpadがインド初の指紋認証機能を搭載したスマートフォン「Coolpad Note 3」を販売開始した。インドのアマゾンと提携して8,999ルピー(約18,000円)で販売する。100ドル前後のスマートフォンが多いインドでは少し高いミドルエンド端末である。
地元の中国ではiPhoneの人気が強く、またXiaomi(小米)やレノボなど競合ライバルに勢いがあり、中国市場で苦戦しているCoolpadにとってインドは重要な市場である。
■Coolpad、インドで3億ドルを投資して研究開発センター設立
インドではモディ首相が主導して、インドの産業振興に向けてインドで開発や製造を行う「Make in India」を促進している。
Coolpadはインドで3億ドル(約360億円)以上を投資して、マハラシュトラ州に研究開発センターを設立することを明らかにした。またCoolpadはインドの家電メーカーVideoconと提携して2016年Q1までにインドで製造したスマートフォンの販売を行っていく。Videoconは冷蔵庫、テレビ、エアコンの他にも、既に自社ブランドでスマートフォンやタブレットを販売している。インド全土に家電の販売網を持っているVideoconとの提携はインド市場での販売活路においては大きなメリットが期待できる。
■差別化要因がほとんどないインドのスマホ市場
2015年第2四半期(4~6月)にインドで販売されたスマートフォンは2,650万台だった。携帯電話全体では5,940万台出荷されており、フィーチャーフォンが3,290万台で、インドではまだスマートフォンよりもフィーチャーフォンの方が出荷数は多いが、年々スマートフォンの出荷は増加し、フィーチャーフォンとの差を縮めている。
インドで出荷されているスマートフォンのメーカー別のシェアでは1位サムスン(韓国)23%、2位Micromax(インド)17%、Intex(インド)11%、Lava(インド)7%、レノボ(中国)6%となっている。レノボ以外にもXiaomi(小米)やHuaweiなど非常に多くの中国メーカーがインドで販売されているが、インドで出荷されたスマートフォンのうち中国メーカーは全体の12%(約320万台)で、その半分がレノボだ。インドに進出している中国メーカーの全出荷台数でも地場メーカーMicromaxの出荷台数にも及んでいない。
インドのスマートフォン市場は地場メーカーが強い。広告宣伝も積極的に行っており、知名度も高く、100ドル前後の端末を大量に販売している。iPhoneは高価過ぎて購入できるのは一部の富裕層だけだ。スマートフォンの購入要因は価格と知名度で、これからも激しい競争が予測される。そしてインドで販売されているスマートフォンでは差別化になる要因がほとんどない。つまりどのスマートフォンであれ、ほとんど同じなのだ。サイズや容量、カメラ画素が違うくらいである。
そのため「インド初の指紋認証機能」が販売されるということで、インドではスマートフォンの差別化要因として久しぶりに珍しい「インド初の指紋認証機能」が話題になっている。アマゾンでしか購入できないCoolpadの「インド初の指紋認証機能」を搭載したスマートフォンは果たしてインドのスマートフォン市場で実際にはどのくらい売れるのだろうか。