金融政策の多角的レビューの目的とは
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日銀のサイトの「金融政策」という項目に、「金融政策の多角的レビュー」というページが新設されていた。
日銀は4月の金融政策決定会合において多角的にレビューを行うことを決定した。
「わが国経済がデフレに陥った1990年代後半以降、25年間という長きにわたって、「物価の安定」の実現が課題となってきた。その間、様々な金融緩和策が実施されてきた。こうした金融緩和策は、わが国の経済・物価・金融の幅広い分野と、相互に関連し、影響を及ぼしてきた。このことを踏まえ、金融政策運営について、1年から1年半程度の時間をかけて、多角的にレビューを行うこととした。」
金融政策について多角的にレビューを行うことは必要だと思うが、1年から1年半程度の時間をかける意味が良くわからない。FRBがそうしたからといった理由もみえたが、現行の異次元緩和を継続させるための理由付けを行うためといったようにしか解釈ができないのであるが。
そもそもその25年間と比較し、2022年から物価や金利を取り巻く状況が一変している。デフレの要因を探り、その反動がどう起きるのか、それを調べようとしているのであれば、この多角的レビューに意味がありそうであるが、どうもそうではないらしい。
しかも現在起きている日本の物価動向の変化を調べるのは急務であるとともに、それにマッチした金融政策を行う必要もある。
これは決して「拙速」などではない。物価の番人の中央銀行としては当然のことであろう。それもせずに1年や1年半もかけて、いまの日銀は何をしようとしているのであろうか。