【大田区】京急蒲田駅周辺の「すみっコぐらし」を考察する:すみっこに止まらない、おそるべしコラボパワー
大田区に今、「すみっコぐらし」があふれている。「東京都のすみっこ大田区で 10周年お祝いキャンペーン」、9月に始まり11月6日まで続く、京急電鉄と大田区などのコラボキャンペーンだ。しかしこのキャンペーンが始まったとき、あまのじゃくの筆者は首をひねった。なぜなら、
…そもそも「すみっコぐらし」って何?
(そして大田区は「すみっこ」にしては大きくないか?)
と思ったからだ。そこでこの機会に「すみっコぐらし」について考察することにした!
「すみっコぐらし」って何
結論:コラボ力のたくましい、マーケティングキャラクター
「すみっコぐらし」はサンエックス株式会社が作ったキャラクター。「すみっこにいるとなぜか落ち着く」をテーマに、寒がりの「しろくま」、食べ残されてしまう「とんかつ」のはじっこに「えびふらいのしっぽ」、じつは恐竜の生き残りの「とかげ」、すみっこにたまる「ほこり」などがいる。
サンエックスはキャラクター製作とともに、ぬいぐるみや雑貨の製造を行う会社でもある。「リラックマ」や「たれぱんだ」もサンエックスの作品。
キャラクターそのものがぬいぐるみとして販売されるのに加え、子供向けの文具売り場などを見れば、これらのキャラクターがいかに多く使われているかがわかる。
つまり自社でキャラクターを製作し、そのキャラクターを使った商品化やキャンペーン、タイアップを行うという、ライセンスビジネスの優等生のようなしくみなのだ。…なんだかすみっコぐらしが、成功したビジネスパーソンに見えてきた。
絵本や映画も作られており、すみっこを愛する者たちの、少し寂しいような温かいような日常が描かれる。舞台の中央に出るよりも、すみっこのほうが居心地がよい…そんな設定が、大人のファンの心も捉えている。
…ちなみに、これまたよく見かける「ポムポムプリン」「ぐでたま」は他社(株式会社サンリオ)の商品。キャラクターに詳しくない筆者にとって、この2社がキャラクタービジネスのライバルだと知る、よい機会になった。
「すみっコぐらし」が、京急や大田区ならではのデザインに
さて今回のキャンペーンは、京急蒲田駅の完全高架化から10周年、そして「すみっコぐらし」が誕生して10周年であることを記念している。
京急の車掌ユニフォームに身を包んだ、キャラクターたち。
京急蒲田駅は、「すみっコなかまた駅」。
天空橋駅は、10周年にちなみ「10(ten)空橋」に。
大田区ならではのキャラクターデザインも。たとえば銭湯。「ブラックたぴおか」が入浴中。
「とんかつ」がとんかつを揚げ、「えびふらいのしっぽ」と「あじふらいのしっぽ」が、ギョウザを運んでいる。
こういった細やかなキャラクターアレンジが、ファンやタッグを組む企業の心を捉えるのだろう。
グッズ販売も好調だ。京急蒲田駅改札内のセブンイレブンや、大田区観光情報センターでは販売スペースが特設されており、商品の入れ替わりが早い。
サクマドロップスというだけでほしくなる不思議。
大田区の並木海苔店とのコラボ、焼き海苔缶。
近隣のゲームセンターでも、すみっコぐらしが「ぞくぞく入荷」。
ついやってしまうクレーンゲーム。中身は金平糖だ。
商店街を歩いていると必ず目に入る、キャンペーンの旗。
ちなみに大田区は23区の中では最も面積が大きく、人口も世田谷区・練馬区に続いて第三位。「すみっこ」には止まらない存在感はあると思うが、多摩地域も含めて見ると、東南の隅とは言えそうだ。
「すみっコぐらし」のコラボパワー、止まるところを知らず
じつは「すみっコぐらし」、墨田区ともコラボを行っている!コラボ相手を次々に見つける力量は、「すみ」におけないものがある。
今秋以降に楽しめるキャンペーンは、多方面にわたる。
そらのおばけのナイトパーク in TOKYO SKYTREE
開催場所:東京スカイツリー(墨田区)
期間:2022/8/10~11/9
すみっコぐらし えいがむらかくれんぼ
開催場所:東映太秦映画村(京都市)
期間:2022/10/22~2023/1/15
※上記時期で、嵐電は特別ラッピング電車運行、記念乗車券発売(京福電気鉄道ホームページ)
「ファッションセンターしまむら」で「すみっコぐらし」グッズ発売(しまむら公式ツイッター)
開催場所:全国のしまむら・しまむらオンラインストア
期間:2022/10/22~
強力なコラボパワーを持った「すみっコぐらし」。街中で見かけたとき、また新しいグッズが出ているのではと、気になる存在になった。
<関連情報>
東京都のすみっこ大田区で 10周年お祝いキャンペーン
期間:2022/9/5~11/6
公式ホームページ
すみっコぐらし オフィシャルウェブサイト