こちらは、湯川町にある「開進橋」です。

自転車歩行者専用道の市道「緑園通り」にあります。

函館市では、都市計画道路日吉中央線の整備に伴い自転車歩行者専用道の市道緑園通の一部区間を2023年8月21日～2025年3月頃まで通行止めにするそうで、これに伴い3連アーチ橋の「開進橋」を来年度には解体することになったそうです。

自転車歩行者専用道は「ミスタードーナツ函館本通ショップ」付近から川原町を抜けて深堀町まで続く「川原緑道」と、さらに道路を渡り「函館市立湯川小学校」前の道路まで続く「緑園通り」までの道のり全長約3kmの道路です。

サイクリングやジョギング、学生の通学路として使われ親しまれている道路ですが、こちらの道は戦争遺跡でもあり「旧戸井線」でもあります。

「旧戸井線」は「幻の鉄道」とも呼ばれており、戦前に着工された軍事貨物用のために開通を目指した鉄道のことで、五稜郭駅～函館中心部～下海岸の海岸沿を通り旧戸井町の戸井駅までの29.2kmを結ぶ予定だった旧国鉄戸井線の遺構です。

「開進橋」は、この戦前から工事が未完に終わった「旧国鉄戸井線」の遺構です。

「開進橋」は、コンクリート製の長さ19.6m、幅5.0mのアーチ橋で1942年に戸井線をまたぐ跨線橋（こせんきょう）としてつくられました。

現在、市道として使われていますが幅員が狭いことから車両の対面通行はできません。

橋の下は「緑園通り」となっており、橋がかかっているアーチ部分にはコンクリート片の落下を防ぐためカバーが備えられています。

報道によると函館市は2018年度から「市道日吉中央線」の拡張を進めており、橋の架け替えによって現在の幅員を16ｍに広げ、橋の土台となる橋台に「ボックスカルバート」と呼ばれるトンネルを設置するそうです。

「開進橋」の建設当時は鉄材が不足していたといわれていますので、鉄材を使用していない可能性が高いそうで、安全性への懸念も高まっていたそうですので仕方がないことなのかもしれませんが、見慣れたこの景色を見ることができなくなるのは寂しいものです。

間もなくこの景色も見納めとなります。