子供が使うインターネット利用機器としてのスマートフォンなどは専用か保護者と共用か(2020年公開版)
子供達がインターネットのアクセスに利用するスマートフォンやタブレット型端末は高額なもので、子供の小遣いで購入するのは難しい。また利用管理の観点で保護者と共有した状態で使うこともあるだろう。その実情を内閣府が2020年4月に報告書を発表した「令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の結果から確認する。
次以降に示すのは該当機器でインターネットを利用している小中高校生について、その機器の利用状況を専用・共用の観点で尋ねた結果。例えばスマートフォンで総数において自分専用は80.1%と出ているので、小中高校生全体でスマートフォンを使ってインターネットを使っている人のうち80.1%は、そのスマートフォンが該当者専用のものであることを意味する。
スマートフォンは例えばパソコンと比べれば機動性が高く自宅外でも個人で使われるケースが多々あることなどから、自分専用の割合が高いものとなっている。総数でも約8割が自分専用で、保護者との共用は17.1%でしかない。小学生では5割台、中学生でも1割台は保護者との共用。高校生になるとほぼ100%、自分専用のものとなる。なお、男女別の差異は小学生で女子の方が自分専用の割合が高いものとなっているが、中高生では傾向だった動きは見られない。
続いてタブレット型端末。
子供が使う場合は自宅利用となる場合が多く、また自宅内の無線LANによるアクセスが多分となるなどの事情から、パソコンほどではないものの、保護者と共用による利用が多い。また、兄弟姉妹と共用の割合も高いものとなっており、子供一人一人に持たせるのではなく、兄弟姉妹で合わせて1台という与え方をしているケースが多々あるものと考えられる。
男女間では女子の方が保護者と共用の割合が高いのは、保護者の懸念に関しては女子に対する方が大きいからだろう。
子供達のインターネット利用機器における専用・共用の実情は、その機器を入手する金銭の問題や利用コンテンツの安全性の観点で、大変気になる要素ではあるのだが、これまであまり調査の対象としては上がってこなかった。今回このような形で明確な数字が出たことで、その実情が明らかになったのはありがたいお話ではある。
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※令和元年度青少年のインターネット利用環境実態調査
2020年1月10日から2月14日にかけて、2020年1月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3194人(うちウェブ経由は255人)、保護者は3384人(うちウェブ経由は115人、郵送回収法は41人)。
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