【姫路市】ときめきが、ここかしこに。姫路市立美術館「隈研吾の『コツゴツ』哲学」2025年2月2日まで
「コツゴツ」。聞き慣れない文言ですよね。
世界的な建築家・隈研吾氏が生み出した言葉です。
隈氏は2021年から姫路の建築美に向き合ってきました。姫路城を「ツンツン」、書寫山圓教寺を「パラパラ」、姫路市立美術館を「コツコツ」と読み解き、それらを進化させたのが「コツゴツ」。
姫路市出身のファッションデザイナー・髙田賢三さんとの交流から生まれた造語です。コツコツとした作業をベースにしながらも貪欲にデザインに取り組む姿勢、さらには姫路の進んでいく指標が示されているとか。
姫路市立美術館の企画展「隈研吾の『コツゴツ』哲学 過去から未来へ生き残るデザイン-髙田賢三へのオマージュ」は、2025年2月2日まで。
姫路に関連する新作模型やパビリオン
隈作品の建築模型やモックアップ約30点が展示されています。
まず、目に飛び込んできたのは圓教寺の摩尼殿を仰ぎ見る位置に計画されている「はづき茶屋」の模型。木組みで環境に溶け込む建築のあり方を表現し、室内にいても森の感覚を味わえるような工夫が。
続いて、姫路の伝統産業マッチを題材にした新作パビリオン。
和紙の表面にマッチ軸木を貼り付けて、構造的な豪力を持たせています。使用されている軸木は約10万本! 遊び心満載。この実験的なプロジェクトから建築物への発展を熱望します。
石や木の素材感も表した模型
千姫の心に響いたいくつかをピックアップ。
「森舞台 / 宮城県登米町伝統芸能伝承館」は地元の木をふんだんに使用し、自然と一体化した能舞台です。日本建築学会賞受賞作。
洋画家の故・村井正誠さんの個人美術館もユニークな構造。
建築に詳しくない人でも興味深く鑑賞できます。それは――。
「写真と一緒に模型を展示し、その模型も形だけではなく、石や木といった素材感を表しています」と隈研吾建築都市設計事務所の担当者。
また、一部の模型には猫がいます。猫の視点で作品を見たり、動きから居心地のよさを感じたり。目を凝らして発見してくださいね。
髙田賢三さんのプライベートに近づく
隈氏は賢三さんのパリの旧邸宅「Takada Kenzo House」を2018年にリノベーションしています。
賢三さんの遺愛品も展示され、プライベートに少し近づくことができます。
世界各国の旅で収集した布をはじめ、インスピレーションの源にも触れられて興味深い。
愛用していた画材類や普段着、自画像、傘寿誕生会での衣服なども。
千姫はこの企画展でドキドキするような、トキメキを感じました。「ドキトキ」
隈研吾の「コツゴツ」哲学
過去から未来へ生き残るデザイン-髙田賢三へのオマージュ
2025年2月2日まで
姫路市立美術館
兵庫県姫路市本町68-25
電話番号:079-222-2288
開場時間:10:00~17:00(最終入場16:30)
休館日:月曜(1月13日は開館)、12月28日~1月3日、1月14日
入館料:一般700円/高校・大学生400円/小・中学生200円