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田辺徳雄ハンファ前コーチ、西武に新設の3軍統括コーチとして復帰 今季を振り返る

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者
試合前の練習でトスを上げる田辺徳雄ハンファ前コーチ(写真:ストライク・ゾーン)

ハンファイーグルスは今月8日、今季1軍打撃コーチを務めた田辺徳雄前西武監督(53)の退団を発表。追って25日、西武は新設の3軍統括コーチに田辺前監督の就任を発表した。

田辺コーチは今季、西武の球団本部チームアドバイザーに在職のままハンファに派遣。シーズン終了とともに再び西武に復帰する形となった。

(関連記事:西武前監督の田辺徳雄氏、ハンファの打撃コーチに就任

公式戦最終戦を控えた9月末、田辺コーチはハンファでの今シーズンを「早かった。上位と6位以下の実力の差が大きかった」と振り返った。

ティー打撃を見つめる田辺徳雄コーチ(写真:ストライク・ゾーン)
ティー打撃を見つめる田辺徳雄コーチ(写真:ストライク・ゾーン)

ハンファの今季は10球団中の9位。前年の2018年シーズンは11年ぶりのポストシーズン進出となる3位の好成績を残し、今季も上位維持の期待が高まったがそれに応えることは出来ず、再び下位へと逆戻りした。低迷の要因の一つに主力野手の不在があった。

開幕前に代表チーム常連の外野手イ・ヨンギュ(34)が、起用法への不満から球団にトレードを直訴。これを球団は規律違反としてイ・ヨンギュを無期限の活動停止処分とした。

処分が解除になったのはシーズン終盤の9月1日。イ・ヨンギュを欠いたハンファは外野手を固定できず、レフト、センター、ライトの各ポジションで100試合以上守った選手がリーグで唯一、1人もいなかった。

またショートのハ・ジュソク(25)は開幕直後の3月28日のKIA戦で、守備中に左ひざの十字じん帯を断裂。4月に手術を行い、今季をリハビリに費やした。ハ・ジュソクの穴はチームにとって攻守両面で大きな痛手となった。

9月、韓国を視察訪問した侍ジャパンの稲葉篤紀監督、建山義紀コーチ、井端弘和コーチと対面した田辺コーチ(写真:ストライク・ゾーン)
9月、韓国を視察訪問した侍ジャパンの稲葉篤紀監督、建山義紀コーチ、井端弘和コーチと対面した田辺コーチ(写真:ストライク・ゾーン)

一方の投手陣も2けた勝利を挙げた両外国人投手に続く先発投手が不在。田辺コーチも「上位チーム相手に下(2軍)から上がってきたばかりのピッチャーが先発しても厳しい。初回は抑えられても2回以降はやられた」と投手の人材不足を口にした。

今季、田辺コーチが日本を離れている間に、西武では7月に新しい室内練習場が完成。「戻ったら浦島太郎かもしれない」と言って笑った。

現在の西武について「2軍は待ったなしの状態」と話した田辺コーチは、若獅子たちの育成に熱意を見せていた。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表/KBO取材記者

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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