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羽生結弦は早大を卒業。世界のトップ大学出身の文武両道なフィギュアスケーターたち 

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
早稲田大学を卒業した羽生結弦(撮影:三尾圭)

 2014年ソチ、2018年平昌でフィギュアスケート男子で五輪を連覇した羽生結弦が、今年9月に早稲田大学の人間科学部通信教育課程を卒業したことが明らかになった。

 主に練習拠点のカナダ・トロントからオンラインで受講していた羽生は、コロナ禍の今年は日本で論文を完成。「フィギュアスケートにおいて、モーションキャプチャ技術はどれだけ使えるかっていうのと、どういうふうな展望があるかをまとめた論文です」とテレビ出演した際に論文の内容を説明していた。

早大出身のフィギュアスケーター

 日本国内ではトップレベルの大学として知られる早稲田大学出身のフィギュアスケーターは多い。

 羽生は東北高校から早稲田へ進学したが、2006年トリノ五輪の金メダリストの荒川静香は東北高校から早稲田の道を歩んだ先輩。

 荒川は教育学部を卒業したが、他にも1988年カルガリー五輪出場の八木沼純子(教育学部)、1994年リレハンメル五輪代表の及川史弘、2002年ソルトレイクシティ五輪とトリノ五輪代表の村主章枝(教育学部)、2005年グランプリファイナル銅メダリストの中野友加里(人間科学部)らも早稲田出身。ソチ五輪で5位入賞した町田樹は関西大学卒業だが、早稲田の大学院に進学してスポーツ科学研究科から博士号を得た。

羽生のライバル、チェンはイェール大学の現役大学生

 他のスポーツ選手に比べても文武両道が光るフィギュアスケートだが、世界には真の天才スケーターも多い。

 羽生のライバルと言われるアメリカのネイサン・チェンはアイビーリーグの名門、イェール大学の現役大学生。ジョージ・H・ブッシュ(父)、ビル・クリントン、ジョージ・ブッシュ(息子)と3代連続でアメリカの大統領を輩出したイェール大学は、2021年度版世界大学ランキング(イギリスの教育専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』によるランキング)で世界8位にランクインしている。2019年の世界フィギュアスケート選手権では羽生(2位)を抑えて、1位に輝いたチェンは医学と統計学のダブルメジャーという本物の天才だ。

 その2019年世界選手権で3位に入ったビンセント・ジョウもチェンと同じくアイビーリーグの現役大学生。ジョウが通うブラウン大学は同ランキングで61位。

アメリカ大統領を5人も輩出している名門イェール大学に通うネイサン・チェン(写真:三尾圭)
アメリカ大統領を5人も輩出している名門イェール大学に通うネイサン・チェン(写真:三尾圭)

才媛揃いのアメリカ女子フィギュアスケーター

 トリノ五輪の女子銀メダリスト、サーシャ・コーエンもアイビーリーグの出身で、卒業したコロンビア大学は同ランキング16位。現役引退後は世界でもトップクラスの名門投資銀行、モルガン・スタンレーに勤務する才女だ。

 ソルトレイクシティ五輪で金メダルを獲得したサラ・ヒューズもイェール大学の卒業生。ペンシルベニア大学の法科大学院を経て、今は弁護士として活躍している。サラの妹でトリノ五輪7位のエミリー・ヒューズもアイビーリーグの名門、ハーバード大学(同ランキング7位)の卒業生。アメリカ合衆国上院でインターンを務め、世界4大会計事務所の1つであるデロイト・トウシュ・トーマツのビジネス・アナリストに就任。国際五輪委員会(IOC)から引き抜かれ、IOCの本部があるスイスでも働いた。

 長野五輪で銀、ソルトレイクシティ五輪でも銅メダルを手にしたミシェル・クワンは同ランキング15位のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に入学。スケートのトレーニングのためにデンバー大学へ転校したが、国際関係学の分野において世界最高と評価されるフレッチャースクール法律外交大学院を卒業。国際関係の専門家として、バラク・オバマ政権の一員として当時、副大統領だったジョー・バイデン次期大統領とも一緒に働いた。

引退後に女医となった五輪メダリスト

 バンクーバー五輪で7位のレイチェル・フラットは同ランキング2位のスタンフォード大学の卒業生。専攻は生物学で、医者を目指して進学したノースカロライナ大学の大学院では摂食障害の研究に励んでいる。

 医者になる夢を実現させたのが2010年バンクーバー五輪の銅メダリスト、ジョアニー・ロシェット。カナダのマギル大学(同ランキング40位)の医学部を今春に卒業して、医者としての一歩を踏み出した。

2021年版世界大学ランキング2位のスタンフォード大学を卒業して医学の道に進んでいるレイチェル・フラット(写真:三尾圭)
2021年版世界大学ランキング2位のスタンフォード大学を卒業して医学の道に進んでいるレイチェル・フラット(写真:三尾圭)
スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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