男女で異なる結婚願望の中身
結婚をしたいその理由、「好きな人と添い遂げたい」「家族が欲しい」
多くの人にとって人生最大のイベントであり転機ともなるのが「結婚」。人生観そのもの、そして複数の人の一生を左右するこのイベントについて、現在未婚の男女はどれほどの人が望み、また望む人はどのような理由で「結婚したい」と思っているのだろうか。
ライフメディアのリサーチバンクが2013年10月に発表した、20代から40代の未婚男女に対して行った調査結果によれば、調査対象母集団のうち6割強が「結婚したい」(すでに予定ありの者含む)と考えている。そこでその結婚希望者に、なぜ結婚したいのかを聞いたところ、その理由として多くの人が挙げたのは「好きな人とずっと一緒に居たい」「家族が欲しい」、そして「精神的な安定が欲しい」だった。
「好きな人とずっと一緒に居たい」「家族が欲しい」は結婚行為は必然ではないが、「確かな絆の形成と社会規範的には結婚が前提」となるもの。第三位の「精神的な安定が欲しい」も合わせ、血のつながりの無い異性と心を通わせ、共に時を過ごし、安らぎの場を創りたいという気持ちは、社会生活を営む人間の願望として、理解できるもの。人間が生物である以上、その性(さが)に従う形で子孫を形成する「子供が欲しい」という回答率も高いが、これも間接的には「好きな人と~」「家族が欲しい」に連動する選択肢ではある。
一方、打算的な理由として「老後が不安」「経済的な安定が欲しい」の項目も高めの値。今件は複数回答のため、この項目だけの回答で「結婚したい」と考えている人は少数派だろうが、このような割り切った理由も「結婚」の見方の一つとして否定はできない。
男女で異なる結婚への価値観
これを男女別に見ると、男女の結婚観の違いが透けて見えてくる。
「女性は結婚に多くのものを求めている」。概して女性の方が回答率が高い。中でも「老後が不安」「経済的な安定が欲しい」では男性を大きく上回っており、「生涯に渡る安定的な生活」を結婚で手に入れたいとの気持ちが見えてくる。
他方男性は「好きな人とずっと一緒に居たい」「結婚はして当たり前だと思う」の2項目でのみ、女性を上回っている。後者はともかく前者の回答率が女性より高い結果に、「男性って案外ロマンティストなのね」と意外さを覚える人も少なくあるまい。男性は女性以上に「相方(となる人)への強い想い」を結婚に見ているようだ。
見方を変えると、この結婚観の違いを認識しておかないと、結婚を前提とした付き合い、そして結婚後に男女間で齟齬が生じることになる。あくまでも一般論での話だが、留意をしておくにこしたことはない。
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