｜マグロといえば山吉

旧郡山公設市場内（富久山町）にあった頃から、魚の目利きに抜群のセンスがあった先代は、仲買人の中でメキメキと頭角を現し、当時、世話になっていた「 槌屋水産」の一角画を間借し「鮮魚の山吉」として営業を開始しました。

山吉のマグロは飲食店や小売店から絶大なる信頼を受け、マグロなら山吉と言われるほどの看板商品になりました。そして、現在の場所に新しい市場が開設したことに伴い「株式会社山吉」とし、さらに飛躍していったのです。

｜直営店をはじめたキッカケ

2017年に現在の代表・山吉 隼人さんに代替わりをしました。事業として「直営店をやる」というビジョンはおぼろげながらあったそうですが、それが現実のこととなったのは、ちょっとしたことがきっかけだったと言います。

以前この場所にあったイタリアン「ラ・ ギアンダ」にたまたま食べに来た際、オーナーの加藤さんと話をしていると「実は今日がこの場所での営業最終日。店舗をそのまま渡すからお店をやってみないか」と言われたのです。いつかはと思っていたことが急に現実味を帯びてきたのです。その後、資金調達にも成功し、あれよ、あれよ、という間に開店準備が整い、2022年5月26日に「マグロノキワミ」をオープン。現在はテイクアウトのみですが、イートインスペースも準備中だとか。

店舗は静御前通りに面した場所にあり、郡山商業高校、近くにはヨークベニマル菜根店などがあります。道路からもお店の様子が見えますし、なんといっても看板が目立つので、すぐわかります。駐車スペースも店舗のすぐ近くに5台分あります。

｜マグロのお刺身、海鮮丼、手造りのお惣菜

店内にはお寿司やお惣菜がたくさん並んでいます。第１・３月曜日は職人さんが握ったお寿司もあります。私はお寿司が大好物。以前通りがかった時に、お寿司がある日をチェックしておき、来店しました。

ありました、ありました！この日は「おまかせ握り（2,000円）」と「マグロ尽くし（2,300円）」、「太巻き寿司（550円）」の3種類。マグロづくしも捨てがたいのですが、バランスよくいろんな種類を食べたいので、「おまかせ握り」をチョイス。

鮮やかで艶やかなネタがたまりません。手前から卵、イカ、いくら、ネギトロ、ホタテが並び、奥にはサーモン、鯛、赤身、中トロ、大トロの全10貫。すし酢はやや酸味が強めかもしれませんが、私はこれくらいがいいです。ワサビもしっかりきいていてGood。シャリは大きすぎず、10貫ペロリといけました。お寿司ってシャリとネタのバランスが大事ですよね。このバランスはかなりいです。パック寿司というより、ちゃんとしたお寿司を食べている感じです。

お惣菜も豊富で「鰹のたたき」、「冷やし茶碗蒸し」、「鶏の唐揚げ」、「卵焼き」、「あさりバター」の他、箸休め的なお惣菜「みそかんぷら」や「セロリと野菜のたまり醤油漬け」も嬉しいですね。

お店で毎日手作りするお惣菜は、ほっこりする食べ飽きない味。その中でも特におススメなのが「マグロの香草パン粉揚げ」です。これは試食させていただいたのですが、風味がよく、適度なボリューム感もあり、どこか洋風テイストで美味。

それから、隠れた人気メニューは「アジフライ」のようです。私がお買い物をしている間にも「今日はアジフライありますか？」というお客様がやってきました。新鮮な鯵が入った時にだけ作るのだとか。定番のメニューですが、ゆえにその違いは歴然なのでしょうね。（次はそれをおかずに買って帰ろう！）

そうそう、そんな手作りのお惣菜がたっぷり入ったオードブルもご予算に合わせて、事前予約で可能とのこと。さらに、「海鮮バラちらし」もあります。こちらはお盆向けのオードブルセットということで8/10の18:30までにご予約いただければ、8/12、13のお引渡しが可能とのこと。

お盆以外でも、仕入れ状況に応じてオードブルや海鮮バラちらしなどは対応可能なようなので、ご興味ある方は一度お電話を。また、丼ものもお刺身もオーダーを受けてからお作りします。電話で予め来店時間をお伝えしておけば、待ち時間が少なくて済むかもしれません。

｜お取り寄せもできる山吉のマグロ

やっぱり山吉さんといえば、マグロ。王道のお刺身は外せませんよね。今晩のお夕飯にお刺身の盛り合わせをオーダー。赤身と中トロでお願いしました。

お刺身はオーダーを受けてから目の前で切ってくれます。少々お時間を頂戴しますが、切りたてなので一番いい状態で持ち帰ることができます。マグロもその日の仕入れ状況により種類もいろいろとのこと。我が家はマグロにうるさい家人がおり、そんな話も山吉さんとしていましたら「中トロは本マグロ、赤身はあえてキハダにしました」とのこと。中トロと赤身、魚種の異なるセレクションにちょっとワクワク。

こういうやりとりが専門店であることを感じさせます。私が子どもの頃は、お刺身はスーパーで買うものではなく、近所の魚屋さんだったことを思い出しました。人が集まるといえば、母が刺身の盛り合わせを頼んでおき、それを受け取りによく行ったものでした。魚屋さんでの何気ない会話によって、魚の食べ方や旬、種類などを自然と覚えていったような気もします。相対することの価値がここにはあるように思いました。

さあ、お刺身の盛り合わせが出来ましたよ。仕上がりはこんな感じです。

最後に、遠方の方に朗報です。山吉さんの鮮魚がお取り寄せできるようです。詳しくはホームページをご覧ください。またAmazonからも購入できるようです。プロの目利きによる美味しいお魚をぜひ、ご自宅でもご堪能ください。