グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)はあるのか
7日のブリュッセルでの緊急のユーロ圏首脳会議では、ギリシャの金融支援交渉の再開を巡って協議し、12日までの新たな金融支援策での最終合意を目指して交渉を加速することで一致した。ギリシャ政府は9日に支援の前提となる、税制改革や年金制度の見直しを盛り込んだ構造改革案を提出する見通し
ギリシャ政府は8日に、ESMから期間3年の融資を受けるプログラムを要請した。ESMとは財政状況が厳しいユーロ圏の国に対し融資や銀行支援を行う基金である。
ギリシャの一部の現金自動預け払い機(ATM)では8日までに現金が底を付く恐れがあるとされていたが、ギリシャ政府は銀行の休業と預金の引き出し制限などの資本規制を13日まで続けるようである。
ギリシャでの金融破綻を回避するために短期のつなぎ融資も議論されているようだが、こちらもユーロ圏の財務相の間では意見が分かれている。つなぎ融資を実行する必要性にオーストリアとルクセンブルクの財務相が理解を示す発言をしたが、ドイツのショイブレ財務相は、経済的な困窮から抜け出す道筋を描くのはギリシャの責任だと強調したそうである。今週中のギリシャ内の資金繰りについては結論が下されるまでの一時的な対応が取られる可能性はあるが、今後の動向はギリシャ側の具体的な財政改革案の内容如何となる。
いずれにせよ、提出されるギリシャの構造改革案が受け入れられるかが焦点となる。欧州の首脳らは、ギリシャが救済条件を受け入れる期限を12日に設定した。12日にはEU全28か国による首脳会議が開催されることで、ここで大きな決断が下されよう。
ギリシャの債権団は、ギリシャのユーロ圏離脱を想定した周到なシナリオを準備しているとの報道もあった。欧州連合(EU)欧州委員会のユンケル委員長は、欧州はグレグジットの詳細なシナリオを準備していると言明。グレグジット(Grexit)とは、Greeceとexitを併せてつくられた「ギリシャのユーロ圏離脱」を意味する造語である。ぎりぎりのところで妥協できるのか。もし今回妥協できなければ、ギリシャのユーロ離脱の可能性が高まることになる。