誰もが一度は経験がある、はずの新社会人の失敗談あれこれ
学生時代とは大きな違いを見せる生活環境下におかれ、戸惑うばかりの新社会人。失敗談も数知れない。その実情をソニー生命保険が2016年4月に発表した、新社会人に対して行った意識調査(2016年3月27日から31日にかけて今春就職した、あるいは就職してから1年が経過した社会人に対してインターネット経由で実施。有効回答数は1000件。男女比、就業年数別で均等割り当て)の結果から確認していく。
就職1年目となる新社会人では学生気分が抜けきらない、社会人としてのたしなみを習得しきれていない、心身ともに慣れていないことから、「社会人の立場としてはやってはいけないこと」をしてしまうことがある。それらの経験の有無について、新社会人として1年を過ごした社会人2年目の人に尋ねた結果が次のグラフ。もっとも多い失敗談は、先輩や上司へのタメ口で、2割に達していた。
ほぼ同率で上位についたのは「保留ボタンを押し忘れて電話を切る」。元々固定電話を日常的に使う機会が少なくなっているのに加え、保留ボタンを押して第三者に応対を変わってもらう機会は、個人利用の限りではさほど無い。使用方法を学んでも、つい忘れてしまう事例はある。
「先輩や上司の名前を間違える」は18.0%。就業先にもよるが、一気に対人関係が広がるため、名前を一度に覚えるのに難儀する人も多い。似たような回答には「社長・役員の顔を覚えられず、すれ違っても無視してしまう」が10.2%。大規模企業になると上司も山ほどいるが、滅多に会う機会が無く、覚えるのに難儀する。人の顔を覚えるのが苦手な人は、会社に足を運ぶこと自体が億劫になるかもしれない。
社会人でなくともやってしまいがちな、そして場合によっては致命的なトラブルになりかねないのが「メールの送り先ミス」。設問では単に「送り先を間違えてメールを送信」とのみあるが、同僚に送るべきメールを上司に送ってしまったり、社内向け内容の文面を取引先に送ってしまうミスをすると、大きなトラブルになることは容易に想像できる。
ドラマや漫画などでよく見かける「会議中に爆眠」は8.6%。案外少ない。他方、「入社初日に寝坊して遅刻」は4.4%。約23人に1人。入社初日は1日しかありえないので、その1日に遅刻した人がこれだけいるのは驚き。
男女別に見るとご覧の通り。複数回答のため、複数の失敗をした人も多分にいる。上位陣だけを足しても100%を余裕で超していることから、それは明らか。他方、上位陣はすべて女性の回答率が高く、色々と不慣れ、対応に苦慮していることがうかがえる。
もっとも女性は男性と比べると事務系の職種につくケースが多く、必然的に失敗をしうる場面に遭遇する機会も多くなる。社内の対人的な対応でのミスで女性の回答率が高い傾向は、何も女性が男性と比べるとそのようなミスをしてしまいがちなのではなく、機会が多いのが主要因と見れば道理が通るというものだ。
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