創業昭和42年、博多駅地下街と歴史を歩む老舗の名店。甘い口当たりのあっさり豚骨が懐かしい味わい。
博多駅地下街の名店
博多駅バスターミナルから地下に降りた「えきちか」と呼ばれる地下街。その新三井ビル側の端にあるのは、創業昭和42年の「名代ラーメン亭」。この博多駅地下街が開業したのが昭和39年ですから、その同時期から営業を続けているという長い歴史を持つ老舗名店です。以前は天神にもあったのですが残念ながら閉店。現在「名代」がいただけるのはこの「博多駅地下街店」のみです。
「名代=評判の高い」という意味を持つようですが、その名の通り約60年近く愛され続けるお店。メニューは店名にある〈ラーメン)はもちろんですが、〈ちゃんぽん〉や〈皿うどん〉も人気で、さらには〈チャーハン〉や〈餃子)もあり、セットメニューもいただけます。
店内はカウンター席とテーブル席がありますが、そんなに広くはないお店。多くのお客さんが訪れるので、相席になることもしばしば。それでも食べたい美味しさはもちろん、リーズナブルにいただけるのも嬉しい。
ラーメン
まずはノーマルのラーメン。チャーシューと真ん中にはネギがたっぷり。この味玉と海苔の感じが、昔ながらのラーメンを思い起こさせます。どちらかというと、博多ラーメンというより、懐かしい町中華の仕上がりですね。
白濁のスープは口当たりが甘く、独特の味わいを持つあっさり豚骨。濃度は高くないのですが、豚骨の風味も感じつつコクもある。シンプルに普通に美味しくて、これが昔懐かしく感じてしまうんですよね。シャキッとしたネギも新鮮で、バラチャーシューも美味い。この味玉のタレが染みた色合いも最高。ノーマルでもこのトッピングは豪華です。
麺も博多王道の低加水。パスパスっとした歯切れ良さが、あっさりスープによく絡むのです。コシのある食感もまた、博多の伝統ですね。
餃子は一口さいずのまさに博多一口餃子。いい感じに焼き目がついていて、薄めの皮がパリッと、そこから溢れ出る餡の肉汁がジュワっと美味しい。一口でパクリといただけますが、外はパリッと中はジュワっと、一番美味しい餃子の仕上がりです。これにビールをあわせると最高。
そしてまた美味いのがチャーハン。これがラーメンやちゃんぽんにセットにできるのですが、これがお腹いっぱい大満足になれるのです。
パラパラっと香ばしく焼きあがり、塩味のバランスも最高。美味しい焼き飯は、お米の全てに火が通り味がついてるんですよね。これはやはりチャーハンを焼く技ですね。
卓上にある辛子高菜が自由にいただけるのも嬉しい。そしてこれが結構辛いんです。ラーメンにもチャーハンにも、そしてちゃんぽんにも合います。ただ、入れすぎは注意ですね。
博多駅の地下街というアクセスもあり、この旨さであれば人気があるのは当然。日々このように多くの人々が訪れ、行列となっています。
話題のひとつとして、漫画「クッキングパパ」や、キミスイこと「君の膵臓を食べたい」にも登場するお店としても有名です。長きにわたりこの博多駅という旅の窓口で営業を続ける老舗。博多を訪れたならば、やはり「名代ラーメン」ということで登場するのでしょう。食べればわかるその気持ち、この場所に続く歴史は、まだまだこれからいつまでも、です。
名代ラーメン亭 博多駅地下街店
住所:福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多駅地下街
営業時間:9時00分~21時00分
定休日:不定休
駐車場:近隣有料