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関西弁使う37歳トンプソン ルークの仕事観。4度目のワールドカップは?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
21日の千葉県内での練習中。実戦練習の合間にバイクをこぐ(筆者撮影)。

 ラグビーの日本代表として3度のワールドカップに出場してきた37歳のトンプソン ルークが、関西弁を交えて意気込む。2月23日、東京・秩父宮ラグビー場でスーパーラグビー(国際リーグ)の今季国内初戦に挑む。

 ニュージーランド出身のトンプソンは、試合出場のチャンスを求めて2004年に来日。三洋電機を経て06年からは大阪の近鉄に加わり、07年に日本代表デビューを、10年には日本国籍取得をそれぞれ果たした。

 身長196センチ、体重110キロのロックで、鋭いタックルと正確なハンドリングを長所とする。代表戦出場を示すキャップ数は64を記録した。

 歴史的3勝を挙げた2015年のワールドカップイングランド大会では、専門誌の読者がベストプレーヤーに選定する働きでアピール。同大会終了時点では代表引退を表明も、2017年6月に限定的に復帰し、今季は日本代表強化に従事するサンウルブズと契約。4度目のワールドカップ出場が期待される。

 トンプソンが関西弁を交えて語る、シニアプレーヤーとしての取るべき態度とは。22日の共同取材では、質疑の大半に日本語で応じた。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「皆さんこんにちは。久しぶり!」

――国内初戦へ。

「めっちゃ楽しみです。ここはサンウルブズのホームグラウンドだから。無茶苦茶、楽しみです」

――いまのチームの印象は。

「自分が若返ったようです。チームメイトがいい人。いい文化、いい雰囲気がある。試合は楽しみよ、毎週、毎週」

――16日、シンガポールでの開幕節にも先発しました。収穫と課題は。

「個人的なプレーはちょっと残念。明日はレベルアップしたいです」

――短い時間で何を修正してきたか。

「フォワードは、フィジカリティ。(初戦でぶつかった)シャークスはでかいチームで、(サンウルブズは)スクラム、ラインアウト、ペナルティを直したい(と感じた)。それと、ブレイクダウン(接点)でのサポートスピードがちょっと遅かった。大きなチェンジはないけど、細かいチェンジはしたい。まだまだ時間はいるけど、今週の練習はよかった。楽しみ」

――37歳の選手もよりスピードアップを…。

「誰が37歳だよ。僕は20代だよ。…もちろん、ゲームフィットネス(を上げる)」

――シャークスは開幕前に2つの練習試合をおこなったが、サンウルブズはレベルズとの合同練習をおこなったのみ。

「もちろん相手はワールドクラスで、こちらももう少し準備をしたかったところはあります。ただ、我々はプロチーム。明日も、ワラビーズ(オーストラリア代表)を多く揃えるワラターズに対してプロとして戦わなくてはいけない。準備期間は自分たちで決められない。自分たちでできることをすべてやるだけです」

――チームは初戦で、9割超のタックル成功率を示しながら45失点。

「タックル成功率は高い。システム(の理解)に問題があったかもしれませんが、規律を守れなかったことが一番の問題。タックル以外のところでプレッシャーを受けたので、そこは改善したいです」

――10代の頃からの目標だったスーパーラグビー出場が、今年、叶いました。37歳304日でのデビューは史上最年長と見られます。

「ちょっと、びっくり。若い時からスーパーラグビーは夢。ただ、出るだけじゃなくて、活躍がしたい。活躍するには努力が必要なので、努力したい」

――背中を押してくれた妻のネリッサさんからは何と。

「『早く立って! もっとフィジカル欲しい』って。厳しいけど、一番、正直。それはいい」

 問答のたびに笑いを誘うなか、年長者としての態度を問われる。明かしたのは、言葉よりも身体で示すという意志だった。末尾にジョークを添える。

――シニアプレーヤーとしては、このチームにどうアプローチしたいですか。

「一番、最初は、自分の仕事をやるね。仕事ができていなかったら、僕の声は意味がない。仕事に年齢は関係ない。だから、一番、最初は、自分の仕事をちゃんとわかって、プレーでベストを出す。そして、僕にはちょっと経験があるから、もし周りの熱が高かったら落ち着かせる。もし周りが疲れていたら元気をアップさせるんだけど、僕はいつもお疲れだからそれは難しい!」

――ワールドカップ出場への思いは。

「いま、ワールドカップは喋れない。僕の集中は、サンウルブズだけ。皆さん、ありがとうございました!」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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