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熱中症での救急搬送人員数は1週間で1651人(2020年6月22日~6月28日)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 子供達の体調管理も忘れずに。適度に水分補給を。(写真:アフロ)

・直近週における熱中症による救急搬送人員数は1651人(2020年6月22日~6月28日)。

・年齢階層別では乳幼児が0.5%、少年が8.9%、成人が31.4%、高齢者が59.1%。

・地域別では愛知県の139人がもっとも多く、次いで大阪府の128人。

総務省消防庁は2020年6月30日、同年6月22日~6月28日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が1651人(速報値)であることを発表した。消防庁が確認している今年の累計人員数は5892人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では1人、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は21人が確認されている。なお前年2019年の同時期における熱中症による救急搬送人員数は978人(確定値)で、今回週の人員数はそれと比べると673人多い。

↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2020年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位、速報値、人)(2020年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2020年6月22日~6月28日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(速報値、人)(2020年6月22日~6月28日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2020年)
↑ 熱中症による救急搬送状況(年齢区分比率)(2020年)

昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし震災から9年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。

また2020年5月時点で気象庁が発表していた最新の夏季予報では、平均気温は平年と比べてやや高め(東・西日本と沖縄・奄美では高く、北日本では平年並か高い)との話だった。降水量は全国的にほぼ平年並との予想と合わせると、熱中症リスクの観点では要注意な状況と判断できる。さらに今年は新型コロナウイルスの流行で、マスク着用を求められる場面が多いことから、熱中症には一層の注意が必要となる。

↑ 季節予報(3か月の平均気温・降水量、6~8月)(気象庁、5月時点)
↑ 季節予報(3か月の平均気温・降水量、6~8月)(気象庁、5月時点)

本来消防庁では昨年と同じように今年においても、熱中症による救急搬送人員数の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月27日から開始する形で、逐次報告を行うはずだった。ところが新型コロナウイルス流行へ対応する消防のリソースを最優先するために開始が延期され、調査開始は6月初日が含まれる週の月曜となる6月1日からとなった。消防庁では熱中症による救急搬送人員数の調査は2015年以降では5月から開始しており、6月から開始するのは2014年以降6年ぶりのこととなる。なお終了日は9月末日が含まれる週の週末の予定。

今回発表された各種値は今年の分としては第4週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。

地域別では愛知県の139人をはじめ、大阪府の128人、福岡県の110人、兵庫県の98人などが人数の上で上位についている。

↑ 東京都の天候と最高気温(度)(2020年6月22日~6月28日)
↑ 東京都の天候と最高気温(度)(2020年6月22日~6月28日)
↑ 大阪府の天候と最高気温(度)(2020年6月22日~6月28日)
↑ 大阪府の天候と最高気温(度)(2020年6月22日~6月28日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人員数上位都道府県、人)(2020年6月22日~6月28日)
↑ 熱中症による救急搬送状況(救急搬送人員数上位都道府県、人)(2020年6月22日~6月28日)

消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな官公庁の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局))。

↑ 熱中症の応急手当。消防庁配布による熱中症対策のリーフレットから抜粋
↑ 熱中症の応急手当。消防庁配布による熱中症対策のリーフレットから抜粋

本格的な夏はまだ先の話ではあるが、すでに熱中症のリスクに留意しなければならない時期にある。特に今年は新型コロナウイルスの流行という特殊要因が加わっており、熱中症のリスクは確実に積み増しされている。今後も知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)地域別天候と気温のグラフにおける気温の文字の色で、赤文字は真夏日(日中最高気温が30度以上)、赤文字・枠囲みは猛暑日(日中最高気温が35度以上)を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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