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新ツアー構想、ミケルソンは「興味深い」!?ゴルフ統括団体すべてを敵に回しても立ち上げる?立ち上がる?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

PGAツアー(米ツアー)に対抗する新ツアーを立ち上げるという驚きの構想は、さまざまな情報が交錯し、混沌としている中、その名称がPGL(プレミア・ゴルフ・リーグ)からSLG(スーパーリーグ・ゴルフ)とあらためられ、米ゴルフ界と世界のゴルフ界を大きく揺さぶっている。

すでにPGAツアーのジェイ・モナハン会長は「新ツアーに参加した選手は、即刻、出場停止処分。永久追放もあり得る」と厳罰を口にしている。

SLGは、世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンやブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボーなどPGAツアーのスター選手たち10名ほどにすでに接触し、破格の移籍料をちらつかせながら引き抜きを試みている様子だ。

ビッグマネーをオファーされている選手たちの誰もがノーコメントを貫いているのだが、その中の一人であるフィル・ミケルソンは米メディアの取材に応え、「(SLG構想は)とても興味深い」と語った。

「(SLGなら)年間のスケジュールをあれこれ調整しなくて済む。年間14〜15試合に(シンプルに)出るだけでいいのだから、そう考えると、とても興味深い」

もちろん、ミケルソンがSLGに参加すると明言したわけではないが、ローリー・マキロイやジャスティン・トーマスがSLGへの参加をきっぱり否定しているのに対し、ミケルソンが参加を否定しなかったことは、PGAツアー関係者を驚かせている。

昨年、PGAツアーと戦略的提携を結んだ欧州ツアーは、言うまでもなく「PGAツアーと協調しながらSLGに対抗していく」と語ったが、他のゴルフ関連団体がどんな姿勢を見せるのかが注目されていた。

そんな中、欧州ゴルフの総本山であり、全英オープンを主催するR&Aは「我々は米欧両ツアーをサポートする」とコメント。

全米オープンの主催者であるUS GA(全米ゴルフ協会)も「私たちはPGAツアーとの長年のパートナーシップを誇りに思う」と語り、オーガスタ・ナショナルも「マスターズ・トーナメントは米欧両ツアーを誇りを持ってサポートする」、全米プロやライダーカップを主催するPGAオブ・アメリカも「私たちは米ツアーと欧州ツアーをフルサポートしていく」という声明を出した。

これで、ゴルフ統括団体のほぼすべてが既存のPGAツアーと欧州ツアーの側に立ち、SLG側には立たないという姿勢を示したことになり、SLGに移籍したらメジャー大会に出る資格やチャンスも失う可能性がきわめて濃厚になった。

それでも「大金がもらえるなら」ということでSLGを選ぶ選手は、果たしているのかどうか。果たしてSLGは立ち上がるのか?今後の動向から目が離せない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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