日銀は5年超10年以下の国債買入を減額、長期金利の上昇を促すのも目的か
日銀は13日の国債買い入れで一部のオファー額を減額した。
残存期間5年超10年以下対象が4250億円と前回の4月24日の4750億円から500億円減額したのである。3月に日銀がイールドカーブ・コントロールを解除してから初めての買い入れ減額となった。
残存期間1年超3年以下と残存期間10年超25年以下対象は前回のオファー額は変わらずとなっていた。
日銀が国債買い入れの減額に向け検討を本格化させていることが、9日公表した4月25、26日の金融政策決定会合の主な意見で明らかになったと、10日に時事通信が伝えていた。
実際に「主な意見」のなかで「金融政策運営に関する意見」では日銀の国債買入に関する意見がいくつかみられた。
「長期国債の買入れについては、イールドカーブ・コントロール解除後の市場の状況を見ているところであるが、どこかで削減の方向性を示すのが良い。」
「国債保有量の正常化、過剰な水準にある準備預金の適正化という観点から、日銀のバランスシートの圧縮を進めていく必要がある。」
「国債の需給バランスを踏まえ、市場機能回復を志向し、現状6兆円程度の毎月の長期国債買入れを減額することは選択肢である。」
4月26日の金融政策決定会合の結果とそのあとの植田総裁の会見内容に比べ、主な意見の内容はかなり相違を感じた。
何かしらあって日銀は姿勢を修正させたとみて良いと思う。その結果が今回の残存期間5年超10年以下対象のオファー額の減額ということであろう。
これは4月からの国債発行額の減額に合わせるとともに、5年超10年以下対象ということで長期金利を上昇させようとの動きともみえる。これにより日米の長期金利の差を少しでも縮小させ、円安の勢いにブレーキを掛けることも目的かと思われる。