通信教育や学習塾…小学生が利用している学習サービスの実情をさぐる(2020年公開版)
学校での勉強の補習的な意味で、あるいはさらに先んじて学んだり、受験に備えるために、学校とは別の機会で学ぶサービスは多々用意されている。小学生はそのサービスをどこまで利用しているだろうか。今回は学研教育総合研究所が公開している「小学生の日常生活・学習に関する調査」(※)の結果から、その実情を確認する。
最初に示すのは小学生における学習サービスの利用状況。これには水泳やサッカーのような運動系のものは含まれない。また学習塾は学校の授業の補習的な立ち位置のもの、進学塾は中学受験に備えたもの、そして英会話は会話中心の英語塾を意味する。
通信教育がトップで31.1%、次いで大きく値は落ちるが学習塾の15.2%、英会話の10.0%。中学受験のための進学塾は6.3%でしかない。家庭教師は0.8%に留まっている。またこの類の学習サービスは何も利用していないという小学生も44.9%いる。1.3%の「その他」は報告書に特段の説明はないが、そろばん塾や習字などだろう。
これについて属性別に「無し」を除いた形で値の実情を確認したのが次のグラフ。
通信教育は女子の方が利用している人が多く、逆に学習塾や英会話、進学塾は男子の方が利用している人が多い。行き帰りにおけるリスクを鑑みての保護者の配慮だろうか。他方、進学塾は当然ながら学年が上の方になるに連れて値が高くなり、小学6年生では15.0%が利用している。
学校外学習というと学習塾や進学塾のイメージが大きいが、小学生においては通信教育の方が利用者が多い。中学受験を控えている人も多々いるであろう小学6年生ですら、通信教育を利用している人の方が多い。意外といえば意外ではある。
一方で、これらの学習サービスを一切利用していない人の実情は次の通り。属性区分をもう少し細かくしている。
進学塾の影響からなのか、高学年でやや低めの動きも見られ、小学4年生でイレギュラーな値も出ているものの、特段傾向だったものは見出しにくい。小学生の大体4割強から5割ぐらいは、学習サービスを利用していないようだ。
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※小学生の日常生活・学習に関する調査
2019年8月27日から30日にかけてインターネット経由で、小学生の子供がいる保護者を対象として、保護者付き添いの下で小学生本人に答えてもらったもので、有効回答数は1200人。男女別・学年別で均等割り当て。調査協力会社はクロス・マーケティング。
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