子育てにおいて、3歳までに知っておきたい!自己肯定感や非認知能力の身につけ方。
0歳から知っておきたい、子供の教育の土台となる大切な事とは
幼児教育に力を入れている家庭なら一度は耳にしたことのある、ここ数年で周知しだした自己肯定感や非認知能力についてです。よく耳にするけれど、実際にはどうゆうことなの?と疑問を持たれている方々もおられるのではないでしょうか?
前々回の記事に幼児期に大切にしたい事を載せましたが、それらと同様で、その子のポテンシャルを上げてくれる能力になります。
今回、それらの能力の必要性や身につける方法をより詳しく知りたいと思い、0歳からの脳育を取り入れた幼児教育のプロの講師の方々にお話を聞いてきました。
また、それらの能力を習い事により鍛えるのも良いですが、より手軽にできる、我が家でも実際にしている自宅での関わり方を紹介したいと思います。
そもそも、自己肯定感や非認知能力って何?
自己肯定感とは
「根拠がなくとも、ありのままの自分を肯定できる感覚」のことと言われています。誰かと比べるのではなく、ありのままの自分を受け入れ、尊重し、自己価値を感じることができる感覚を指します。
ステイタスや経験などの根拠があるときにのみ自分を肯定できる感覚である「自信」とよく似ていますが、根拠がなければポジティブに受け止められない状態は、「自信」はあっても「自己肯定感」がない状態となります。
自己肯定感が高いと?
自分の長所を活かす思考をしたり、物事を前向きに考える事が出来ます。
自己肯定感が低いと…
他の子と比較する癖がついたり、意思決定を他人に委ねたりします。
非認知能力とは
認知能力は、一般的には知能検査で測定できる能力(IQなど)のことを言うのに対して、「非認知能力」とは主に自尊心、自己肯定感、自立心、自制心、自信、協調性、共感力、思いやり、社交性、道徳性などの、いわゆる「人間の内面の力」のことを指しています。
非認知能力が高いと?
自尊心や自己肯定感が育まれているために情緒が安定しています。また、自信や自立心を持っているため、わからないことがあったら自分で調べようとするでしょう。
嫌なことは嫌と主張しますが、協調性や思いやりを持っているので友だちとかかわり合いながら遊ぶのも得意です。また、正しいことをしようとして周りに働きかけたり、自ら努力したりできます。
非認知能力が低いと…
自己制御力が低くて自分の感情や行動をコントロールすることができなかったり、共感力が低かったり、意欲や耐性が低くて新しいことを始める際のモチベーションが持続しない、問題に直面したときにすぐに諦めてしまうといった特徴が見られます。
それでは、そのような能力はどのようにすれば身につくのでしょうか。
「自己肯定感」、「非認知能力」の身につけ方〜ギフトスクールの講師の方からのお話を基に〜
今回は、私自身が感じてきた事をよりロジカルに学びたくて、
世界一の子ども教育、モンテッソーリ教育 親子で育む成功脳・最高の自己肯定感を育てる0〜3歳のための脳育スクール リトルモンテギフトスクールの講師、横山浩代さんと川端愛未さんにお話を伺いました。
3歳までの脳育が大切なこと
モンテッソーリ教育によると、6歳前後までの間に、様々な事柄を「知りたい・学びたい」と強く思う時期=「敏感期」が下記の表のように順番に訪れます。
親がこの時期を理解し、適切な環境を用意してあげることで、子どもたちは驚くような成長を見せてくれるのだそうです。その中でも特に、3歳までにグッと発達する「感覚」に対しての刺激はとても大切で、その感覚の土台があることで、3歳以降に興味が広がる「文字」「算数」「文化」をスムーズに取り入れることが出来るようになるとのことです。また、ジャクソンとスキャモンの発育曲線で3歳までに脳の80%が完成すると言われていることから考えても、3歳までにたくさんの刺激のある環境で過ごす事が脳の発達に大きく影響すると言えます。
子供の「好き」を大切にする関わり
また、関わる際には子供の自発性も大切にするのが良いと話されていました。
遊びの中から好きなこと・興味を持てるものを自分で選ぶことで遊びに集中し、作業が繰り返されて満足感や達成感を得られるというサイクルが、自己肯定感やチャレンジする心に結びつくようです。
具体的な関わり方
お話を伺った日は、オープンデイという日でした。子供の主体的なペースを大切に、「自分でやってみたい」を引き出すことを目的とした活動の日です。
その日は、野菜を使った遊びをしました。まずは好きな野菜を選びます。
「にんじん、玉ねぎ、何にしようかな。」そのように自ら選ぶうちに、匂いや形を感じることが出来ます。次に、自分で切ってみることで、外と中の違いに気付くことができていました。
最後はその野菜をスタンプとして絵の具を塗って描くというものでした。
それぞれの野菜の特徴がでた、原色のカラフルなスタンプで良い作品ができました。
最後の工程の、野菜スタンプでお絵描きだけだったとしても楽しめそうですが、それまでの工程を子供自身にさせてあげることが『感覚』をグッと刺激し、大切な関わりなのだと感じました。
このような実体験で五感を鍛えていくことが、自己肯定感や自信に繋がるのだということでした。
プラスになる言葉のシャワーを浴びさせよう
脳の成長に欠かせないシナプスは、3〜5歳をピークにして減少に向かいます。幼児期にシナプスを沢山増やしておくためには、「出来たね!」「頑張ったね!」と褒める事が大切だと言われています。
子供が何かにチャレンジして出来なかった場合でも、「学べるって楽しいよね」などと言った、プラスに考えられるような言葉をかけてあげることが大事だと話されていました。プラスになる言葉を沢山使う事で、子供だけでなく親もポジティブに考えられるようになるので、親子共に成長していけることが期待できそうです。
家でも出来る、『感覚』(自己肯定感、非認知能力に繋がる)の鍛え方
「感覚」を刺激する遊びといっても、実際に家で行うとなると、どのように遊ぶと良いのか悩みますが、いただいたこちらの表がとても参考になりました。
ピラミッド下から、0-1歳、2歳、3歳、4歳、5歳頃となります。
1歳までだと、特に「バランス覚」「ボディ覚」「タッチ覚」「視覚」「聴覚」を刺激するような遊びが効果的だと分かります。
1歳6ヶ月までの主な遊びのポイント
立ち上がる・歩く・走る
転がす・はがす・投げる
握る・積む・はめる・叩く・引っぱる
押す・開け閉めする・落とす
1歳6ヶ月〜2歳までの遊びのポイント
走る・物を運ぶ・階段の昇り降り・ジャンプ
つまむ・通す・はさむ・ひねる・貼る
くっつける・はずす・引っ掛ける
※発達に応じて叩く・積むなど
2歳の主な遊びのポイント
はめ込みパズル・シール貼り・ねじるおもちゃ・粘土遊び
紐通し・ピンセットやトング・鍵の開け閉め
平均台を歩く
3歳の主な遊びのポイント
体をダイナミックに使う運動ができるもの、指先の細かな動きを要するもの、物の大小や動作の仕組み・色や音の違いを認識できるもの、日常生活の練習になるもの、言葉の練習になるもの、リズムや音色を楽しめるもの、表現・創作するものなどです。
迷った時は、1-2歳で遊んでいた玩具の難易度の高いものを選ぶと良いです。形を複雑にしたり色や数を多くしたり、大きさを小さくする、といった感じです。
子供の五感をフル活用
何で遊ぶかを決めた後は、出来る限り準備から片付けまでの工程も子供にチャレンジさせてあげます。その際に、自分で選ぶ事を大切にして大人はなるべく見守りのみ行います。
その工程で出来なかったり失敗があったとしても、プラスになれる声かけを心がけます。
その子の好きを大切に
まずはその子の行動をじっくりと観察することが大切で、何に興味があるのかを見つけてあげます。そして、その子の好きなものを入り口にしてあげることで、どのような遊びにも興味を持つことが出来、楽しむ事が出来ます。そのことから、好きを伸ばしていく事や、苦手なものでも好きな事を取り入れながらチャレンジ出来るような関わり方が出来ると素敵です。
親子のふれあいが1番の土台
色々と書きましたが、「感覚」を鍛えるために習い事をしたり自宅で玩具を使うにせよ、親子の時間の関わり方が子の成長に大きな影響力を及ぼすということを忘れてはなりません。
不思議なもので、子供達は本能的に自分が今すべき学習を感じとり、自然と今必要な玩具で遊ぼうとする事もよく見られます。
しかし、それは心が安定しているからこそ出来る事だと思うのです。
日々、子供と接する時間はしっかりとコミュニケーションをとったり、スキンシップを沢山とることを大切にして、子供が安心して次のステップへとチャレンジしていけるよう温かく見守っていきましょう!