今年で70周年。土佐銘菓として親しまれている一口サイズのもっちり和菓子「土佐日記」
今回ご紹介するのは高知県にある和洋菓子店、青柳さんのつくる土佐銘菓「土佐日記」です。昭和29年から親しまれている土佐銘菓の土佐日記は今年で70周年。多くの方達から長く愛されている一口サイズの和菓子です。
原材料名等の情報は下のとおり。
包みを開けると本の装丁を思わせる趣のあるパッケージが現れます。名前のとおり歌人紀貫之の土佐日記にちなんでいます。こちらは6個入りの箱。
ページをめくるように上蓋を開けると、内側には紀貫之の土佐日記の一文があります。
「みやこへと思ふをもののかなしきはかへらぬ人のあればなりけり」
しみじみとした寂しさや儚さが伝わってくるような一文です。
公式サイトには銘菓土佐日記の由来があります。
歌人紀貫之は延長8年(930年)土佐の国司に任ぜられ、承平4年(934年)12月に船出、翌年2月帰京する迄を綴った旅日記「土左日記」は海国土佐を全国に紹介した最初の文献であり、仮名文字日記の先駆となるものです。行政官貫之が国人から敬愛をうけたことは日記で明らかで、わが郷土は貫之にとって忘れ難い任地でありました。その貫之を偲び「土左日記」を記念してつくられたのが銘菓土左日記です。<青柳公式サイトより>
6個入の箱にはもの寂しくなるような一文が添えてありましたが、4個入りは全く雰囲気が異なるビビットなピンクの水玉模様の箱入。
ピンク色(4個入)の箱には同じく紀貫之の有名な一文「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」の現代語訳「男も書くという日記を女の私も書こうと思って書くのである」と書いてあり、千年も昔に女性のフリをして日記を書いたアバンギャルドな歌人の一面を表しているのだそう。一つのお菓子で歴史上の人物の多面性を表現するなんてユニークですよね。
個包装パッケージはシンプルなデザインです。
取り出すとお菓子はトレイに入っていました。外側にまぶされているのはそぼろ。硬めの独特な食感で香ばしさがあります。落ちやすいのでトレイの中でいただくのが良さそうでした。
お餅の部分は国内産上餅粉で作られた求肥。柔らかく、もっちりしています。
手で伸ばしてみます。
ナイフでカットした断面はこちら。中には北海道産良質小豆で作られた甘めのこしあんが入っています。
そぼろのつぶつぶ食感と求肥、中のしっとりこしあんのバランスが良く、お茶が進みそうでした。土佐日記は高知にある青柳さんの店舗で購入できる他、公式サイトからもお取り寄せが可能です。
ショート動画(25秒)でもお菓子の質感を撮っています。購入される際のご参考にどうぞ。
今回ご紹介したお店とお菓子
青柳 土佐日記6個入 756 円(税込)