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【杉並区】西荻窪で洗練された立ち呑みを楽しむなら『サレカマネ』。店名に秘められた予想外の意味とは!?

酔街草エディター・ライター(東京都杉並区)

『サレカマネ』

個性的な飲食店が鎬を削る西荻窪にあって、無国籍風の料理や酒類を揃えた立ち呑みバルとして人気を博しているのが『サレカマネ』である。リーズナブルな値段設定は言うに及ばず、ターンテーブルでLPレコードが聴けたり、季節ごとの美味しい酒肴が堪能できるとあって、今やすっかり西荻窪民のハートを鷲掴みにしてしまった。

オーナー兼店長である佐藤格之(さとう・のりゆき)氏が、西荻窪に店を構えたのが2014年の11月。20歳の頃に福島県から上京し、飲食関連の人材派遣会社を経た後に飲食店グループに入社、吉祥寺ハモニカ横丁では店長も経験する。その時の職場で知り会った妻と共に独立を決意したものの、場所は元より店のコンセプトすら決めかねていたそうだ。

無類のサッカー好きでもある佐藤氏は、いったん開業準備を中断し、夫婦でFIFAワールドカップ観戦を目的にブラジルへと旅立つことになる。たまたま現地で見つけた立ち呑みスタイルのポルトガル料理店に感銘を受け、「異文化が混じり合ったようなカジュアルで陽気な立ち呑みの店にしよう」と決めた。

酔街草も過去に一度だけリオデジャネイロを訪れた事があるが、『サレカマネ』の開放的なサファードといい、南米を想わせるような壁の色合いといい、初めて訪れた際にどこかしら懐かしさを感じたのは、まさに”サウダージ(郷愁)”な雰囲気に満ち溢れていたからかも知れない。

ちなみに店名の”サレカマネ”とは、福島弁で”それ、構わない”という意味なのだそう。さしづめスペイン語の”ケセラセラ(なるようになるさ)”、広東語なら”モーマンタイ(無問題)”とでも言ったところであろうか。店の公式サイトには”諸行無常万物流転酒場”という、言い得て妙なる謳い文句も記されている・・・。

JR西荻窪駅の北口に出てカラオケ店と薬局との間の小路に入り、居酒屋『戎(えびす)』(北口店)の少し先、八百屋の角を右折すれば『サレカマネ』は容易に見つかる。

厨房側のL字型カウンターは立ち呑みスタイルだが、壁側のカウンターには椅子も用意されているので、落ち着いて呑みたい時はこちらのコーナーを選ぶのがお勧めだ。

左側の黒板には定番の酒類、右側にはお勧めの日替わりフードと地酒のメニューが記されている。フードの定番メニューはカウンター上にあるのだが、酔街草の場合は、ここ数年ほぼ日本酒一辺倒のため、自ずと黒板を眺めて和風の肴を選ぶことが多い。

フード全般を、たった一人で切り盛りしているのが妻の靖子(せいこ)さん。10代の頃から飲食店で働いているというキャリアは伊達ではなく、段取りのよい調理と和洋を問わず絶妙な味付けには、いつも舌を巻いている。

フードの定番メニューがこちら。「ねぎだれ蒸し鶏」(500円)や「カニミソグラタン」(850円)などが人気の的だ。注文の仕方にハウスルールが有るので、黒枠内をよく読んでおこう。

*お酒は二十歳になってから!
*お酒は二十歳になってから!

アンティークな真鍮鍋の中には、瓶ビールなどがドブ漬けになってキンキンに冷やされている。ワインをはじめビール、日本酒、焼酎、ウィスキーと酒なら何でもござれ状態で、呑兵衛にはたまらないはず。

酔街草の目当ては、佐藤氏が複数の酒屋から仕入れて来る全国各地の日本酒。東北地方の銘柄が必ずラインナップされているという拘りも、愉しみのひとつである。

たいていの客が一度はオーダーするという人気のレモンサワー(500円)。良質なレモンを使い、焼酎は「金宮」で濃い目と抜かりはない。季節によっては、すだちや金柑などのサワーも提供する。夏になれば、モヒートやカイピリーニャといったラテンカクテルも見逃せない。

店内には、ほどよい音量でLPレコードの音楽が流れている。ジャズからロック、レゲエ、ソウル、歌謡曲とジャンルも幅広い。開店当時は数十枚程度だったのに、いつの間にか棚一杯に増殖してしまった。

クラブチームの日替わりユニフォーム姿がトレードマークの佐藤氏。2022年のFIFAワールドカップ・カタール大会へも、1カ月ほど店を閉めて駆け付けるほどのコアなサッカーファン。『FC東京』の熱狂的なサポーターでもある。

毎年、密かに楽しみにしているのが、クリスマスシーズンに登場する自家製のローストチキン。ローズマリーの香りはもちろん、塩加減と焼き加減が絶妙のバランスで旨し!これを食べないと年末が来ない気分になる。

2020年からは2号店となる『サレサイドサカバ』(旧店名・サレサイドサカエ)が表通り側で営業を始めた。本店からは歩いて1分もかからない、まさにスープの冷めない距離にある。内装やコンセプトは『サレカマネ』をそのまま踏襲しており、人数に応じた使い分けが可能になった。

「本店は『サ』、2号店は『サササ』と呼び分けています。仲間とわいわい騒ぎたいなら『サササ』がお勧めですね。一見、カウンターが満席に見えても立ち呑みだと融通が効くので、諦めずにひと声かけてみて!」と、佐藤氏はアドバイスする。

然るに、”サレサイド”の意味とは?

それは、皆さんの想像にお任せする事としよう・・・。

さてさて今宵も大満足、ご馳走様!

サレカマネ Rettyページ

住所:東京都杉並区西荻北3-20-9

電話:03-6915-0400


アクセス:JR西荻窪駅北口 徒歩2分

営業時間:[月・木] 17:00~23:30 [金] 17:00~24:00 [土・祝] 16:00~24:00 [日]16:00~23:00

火・水定休(たまに不定休)

※現金のみ


サレサイドサカバ

住所:東京都杉並区西荻北3-20-7

電話:03-6915-0400


アクセス: JR西荻窪駅北口 徒歩1分

営業時間:[月〜金] 17:00~23:30 [土] 16:00~23:00 [日・祝]16:00~22:00

無休

※現金のみ


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エディター・ライター(東京都杉並区)

中央線沿線の街並みとお酒をこよなく愛する、元・雑誌編集者です。長年に渡って杉並区の荻窪に在住。居酒屋をはじめ、グルメに関する話題・スポットを中心に、皆さんの役に立つ情報を発信して行きます。

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