日銀利上げによる株価暴落で新NISAの積立てはどうすべき?
2024年7月31日、日本銀行が政策金利の引上げを発表しました。この前から利上げの警戒感が強まり、7月11日を境にドルは161円台から円高に転じ、日経平均も42,000円台から下落し始めていました。このような状況で、新NISA投資家がどのような対応を取るべきだったのかについて考察します。
新NISAで大損したとの声について
筆者が驚いたのは、新NISAで大損したという発言です。新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの口座があり、特に「つみたて投資枠」は月々の購入額が最大10万円、年間最大120万円の積立てが可能です。この枠での投資は時間を分散させることで、大きな損失を防ぐ構造になっています。それにもかかわらず、「大損」とする発言には疑問を感じます。
投資の世界では、仮名で投資成果を披露することが一般的で、その真偽は確認しにくいです。また、匿名の投資情報発信には詐欺のリスクもあるため、注意が必要です。
暴落を経験したことのない「つみたてNISA」「新NISA」投資層
つみたてNISAや新NISAをきっかけに投資を始めた層は、今回の株価暴落に驚いたことでしょう。しかし、投資には価格変動がつきものであり、下落を経験することで学びが得られます。価格の下落がなければ、時間分散投資をする必要もありません。
もし、投資について深く学ぶのであれば、コロナ禍での株価暴落がなぜ回復したのか、金利や金融緩和と株価や為替の関係について考えるとよいでしょう。
暴落時は買い場だと主張する層
一部の金融リテラシーが高い層は、暴落時こそ買い場だと考えます。しかし、今回のように値動きが早い局面では、すぐに動けず買えなかった可能性もあります。積立て投資家はタイミングを計るのではなく、継続的な投資をすることでリスクを分散しています。
今後、アメリカの利下げ観測もあり、為替が円高になり株価がさらに下落する可能性がありますが、積立て投資家は焦らずに投資を続ける方が精神的にも安定するでしょう。
投資を嫌う層の考え方
投資が嫌いな層は、新NISAを国が推進することを怪しいと感じるかもしれません。しかし、国策に逆らうよりも、うまく利用する方が賢明です。投資を避ける代わりに、インフレ対策として個人向け国債を検討することも一つの手段です。
忙しい日々を送る新NISA投資家
仕事や子育てに忙しい20代~40代の投資家にとって、積立て投資の利点は、市場の変動に一喜一憂せずに済むことです。市場の乱高下に対しては、あえて動かず、積立てを継続することが最も適切な対応といえます。
積立て投資の前提は、世界経済の成長を信じることにあります。短期的な市場の動向に惑わされず、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
株式市場の将来は誰にも予測できませんが、積立て投資を始めたばかりの人は、焦らずに投資を継続することが大切です。ただし、投資先の選定は慎重に行う必要があります。日本株、米国株、全世界株など、どの投資先が自分に適しているかを検討する価値があります。
また、資金がまとまってきた際には、価格変動のリスクを抑えるために一部資金を預金やMRFに移すことも考慮すると、将来的に迷ったときの選択肢が増えるでしょう。