9歳以下のスマホ利用者の81.5%が動画視聴…9歳以下の子供達のスマホ利用実情(2024年公開版)
好奇心旺盛な子供達にとって、スマートフォンが魔法のアイテム的存在であることは言うまでもない。その子供達はスマートフォンでどのようなサービスを利用しているのだろうか。その実情を内閣府が2024年3月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」(※)の内容から確認する。
次に示すのは調査対象母集団のうちスマートフォンでインターネットを利用している人における、その利用内容を複数回答で尋ねた結果。動画視聴をしている人がもっとも多く、81.5%を示す形となった。なおグラフの横軸の具体的項目名は報告書の並びに準じている。
次いで多いのはゲームの48.5%。スマートフォン本体に初めからインストールされているものか、アプリゲーム、ウェブゲームのような種類の詳細までは問われていないので判断はできないが、スマートフォンでインターネットにアクセスしている子供の半数ほどはゲームをしていることになる。
音楽視聴は23.4%、情報検索は20.9%、撮影や制作、記録は16.1%。メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアの利用のようなコミュニケーションは14.9%にとどまっている。
勉強は9.4%と1割足らず。元々スマートフォンを学習目的で子供に使わせているケースもあることを考えると、この値は少なめに思える。あるいは実質的に勉強ではあるものの動画視聴や情報検索として回答しており、明確な形での勉強との認識がないだけかもしれない。他方、読書は0.5%、漫画は1.2%。今調査の限りではスマートフォンで電子書籍などを読んでいると認識している子供はほとんどいないことになる。
これを年齢階層別に区分したのが次のグラフ。
スマートフォンでの動画視聴はゼロ歳から行われている。年齢とともに利用率はおおよそ下がる傾向はあるが、同じタイミングでゲームやコミュニケーションの利用率が上がっているので、興味が動画からゲームやコミュニケーションに移るのかもしれない。また情報検索も5歳あたりから値を伸ばしていく動きを示しているので、インターネットを使っての物事を知ることへの積極性や好奇心が芽生えてくるのは、このぐらいの年からなのだろうかと思わせる。もっとも1歳以上ならどの年齢でも動画を見る人が7割を切ることはない。
音楽視聴は一部イレギュラーがあるが、年齢が上になるに連れて値が伸びる傾向がある。動画とは逆の動きとなるのは興味深いところだ。
ぶれも合わせ多少の差異はあるが、年齢を問わず、動画視聴とゲームがスマートフォンでインターネットを使う低年齢層の主な使い道であることに変わりはない。子供達にとってスマートフォンは動画を楽しみ、ゲームで遊ぶ、エンターテインメントマシンのような存在なのだろう。
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※青少年のインターネット利用環境実態調査報告書
今件は「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」内の「低年齢層のインターネットに関する利用実情」の報告部分が該当する。同調査は2023年11月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を持つ保護者を対象に、同年11月1日から12月7日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は3000人、有効回答数は2160人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ309人、93人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。