【高野町(高野山エリア)】明治時代から続く、カカオとお尻のやさしい関係
地域の医院跡から出てきた古書をあさっていたら、明治時代の本を発見。
本日は、明治時代の京都大学医学博士が書いた「薬物学」より、カカオ関連のトリビアをご紹介。
食用としての豆知識
・江戸時代に日本にチョコレートが伝わった。
・慶應4年(1868年)に徳川昭武の日記にフランスでココアを飲む様子が書かれており、日本人の飲んだ最古の史料とされる。
・明治11年(1878年)に日本初の国産チョコレートが両国若松風月堂で発売。
・大正7年(1918年)に森永製菓が田町工場において日本で初めて、カカオ豆からチョコレートの一貫生産を開始。
・大正8年(1919年)に森永製菓がミルクココアを発売したのが日本のココア第一号。
そんなチョコレート文化黎明期の明治45年(1912年)に書かれた「薬物学」という本より関連項目を抜粋(あくまでも当時の情報です)。
ココアやショコラーテ
「テオブロミン」と少量の「カフェイン」の他、脂肪及び含水炭素を含有するが故にほとんど神経系を興奮することなく、主として筋に作用し、その疲労を除き、同時に滋養品の性質をそなう。
カカオ脂
Theobroma cacao の皮を除きたる種子を圧搾して得たる脂肪にして、その色白くあるいは淡い黄色を帯び、15度において堅脆にして、30ないし33度において溶融す。
座薬の賦形薬とす。
賦形薬とは、有効成分(主薬)がしっかりと体内の正しい場所で吸収され効果が出るようにお薬を包んでいる添加物
チョコレートの原材料にもなっているカカオ脂は、上記のように室温では固体ですが、ヒトの体温くらいの温度になると溶け始める性質があり、それをうまく利用して、座薬の賦形薬として使われてきました。それは現在でも日本薬局方に収載されていて、天然の医薬品や化粧品として私たちを支えてくれています。
滋養強壮剤にもなり、菓子にもなり、明治時代から100年以上もお尻を支えてくれていたなんて、色んな意味で感謝。