両親がいるのは約7割…アメリカ合衆国の子供がいる家族の実情をさぐる(2024年公開版)
子供がいる家族で両親が存在しているとは限らない。死別、離別、あるいは非嫡出子の場合もある。アメリカ合衆国の子供がいる家族における実情を、同国の国勢調査局(Census Bureau)の公開値から確認する。
次に示すのはアメリカ合衆国における、18歳未満の子供がいる家族の組数動向。なお家族(Family)は血縁・法律上の婚姻関係を指し、家計や同居の有無は関係しない。類似の言葉として用いられることが多い世帯(HouseHold)は、同一住宅内に居住する人の集合を指す。また今件は「18歳未満の『子供』がいる家族」であり、両親がともにおらず祖父母が育てている場合は、祖父母と孫の関係になるので該当しない。さらに2007年から2008年にかけて調査方法の一部変更が行われたため、数字がイレギュラー的な動きを示している場合がある。
アメリカ合衆国では非嫡出子、特に母親のみの子供が増加している実態が、今件グラフからもよくわかる。1970年代以降は夫婦がともにいる家族数はおおよそ横ばいのまま推移し、母親のみ、父親のみの家族数が増加。特に母親のみの家族は大幅な増加を示している。無論片方の親のみの家族は、非嫡出子以外に死別、離婚によって生じたケースも多分にある。
直近となる2023年では、子供がいる家族3329万組のうち、夫婦がともにいるのは2352万組でしかなく、729万組は母親のみ、248万組は父親のみの家族となっている。他に祖父母が同居している場合もありえるが、法的な家族構成において片方の親しかいない親子が977万組いる計算になる。
この状況に関して、子供がいる家族の総数に占める比率を算出し、その推移を見たのが次のグラフ。
1950年当時は夫婦がともにいる家族が92.6%、どちらか片方しかいない家族は7.4%でしかなかった。それが直近の2023年では夫婦のいる家族は70.7%、母親のみが21.9%、父親のみが7.4%。片方の親のみの家族が約3割。子供がいる家族の様式がこの半世紀強の間に、大きく変化したことは否めまい。
■関連記事:
【単身世帯と核家族世帯と三世代…世帯構成別の平均世帯所得金額をさぐる(2022年公開版)】
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。