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経験者は36.9%…15歳の持ち物売却事情(2024年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
スマホを使えば持ち物売却も手軽に!?(写真:アフロ)

古本屋や古道具屋、そして質屋などが昔から存在していることからも分かる通り、不必要になった手持ちの物品を他者に直接売るのではなく、中継業者に売り渡す仕組みは多くの需要があり、多数の人が利用している。ゴミとして廃棄するのはもったいないが、欲しい人を見つけて直接販売交渉をするのは非常に困難であることから、買い取り業者の存在は非常にありがたいもの。また多人数の人たちが集まる場を設けてやり取りをうながすフリーマーケットの類も、イベント的な催しとしてよく行われている。今回は金融広報中央委員会「知るぽると」が2024年1月に発表した、「15歳のお金とくらしに関する知識・行動調査」(※)を基に、15歳における手持ち物品の売却経験について、その実情を確認する。

次に示すのは質問時点で過去に一度でも、何らかの手持ちの物品を売った経験がある人の割合。頻度や金額は問われてない。

↑ 自分の持ち物を売ってお金を得た経験(2023年)
↑ 自分の持ち物を売ってお金を得た経験(2023年)

15歳(高校1年生)の時点で自分の持ち物を売ってお金を得た経験がある人は4割近く。「知るぽると」による過去の同様の調査では、2015年時点で自分の持ち物を売ってお金を得た経験がある中学生は36.2%、高校生は33.8%との結果が出ている。それと比べるとほんのわずかだが増えていることになる。あるいは統計上のぶれの範囲で、実質的に同じと見てもよいかもしれないが。

それではどのような場所・方法で売った経験があるのか。

↑ 持ち物の売却方法(複数回答、自分の持ち物を売ってお金を得た経験がある人限定)(2023年)
↑ 持ち物の売却方法(複数回答、自分の持ち物を売ってお金を得た経験がある人限定)(2023年)

もっとも多かったのは「買取店舗へ持ち込み・送付」で59.5%。質問票には具体例としてブックオフ、リサイクルマート、高く売れるドットコムの名前が挙げられており、これらの実店舗に買い取ってほしい持ち物を持ち込んで手続きをしたことになる。身分証明などが必要になるが、比較的利用ハードルが低く、何よりその場ですぐにやり取りが完結するのがポイントに違いない。

次いで多いのは「フリーマーケット(インターネット)」の28.2%。質問票には具体例としてメルカリやラクマの名前が挙げられている。色々と話題に富むサービスではあるが、品物を売却する場としては知名度が高く、利用しやすいところなのだろう。さらに「買取アプリを利用」が続くが、こちらは具体例としてブックオフ公式アプリが挙げられいる。もちろん実際に自分の持ち物を引き取ってもらわねばならないが、申し込み手続きなどがあアプリ上で行え、宅配買取サービスを用いることで実店舗に足を運ぶ必要がなくなるため、楽な話には違いない。

最後に、具体的に何を売却したのかを聞いたところ、もっとも多かったのは「本・漫画・参考書など」だった。自分の持ち物を売ってお金を得た経験がある人の63.9%は、本や漫画、参考書などを売った経験があると答えている。

↑ 売却したことのある持ち物(複数回答、自分の持ち物を売ってお金を得た経験がある人限定)(2023年)
↑ 売却したことのある持ち物(複数回答、自分の持ち物を売ってお金を得た経験がある人限定)(2023年)

やはり身近にあって単価も安く、場所を取り、必要がなくなることが多い本などは、捨てるよりは少しでもお金になればと売ることを考える人が多いのだろう。学年が上がって不要になった参考書や、飽きて目を通さなくなった漫画の単行本は、売る対象として容易に想定できる。

次いで「プラモデル・ゲームカセットなどの玩具類」が36.2%。新作ゲームを速攻で一通りプレイし、まだ中古としての買い取り相場が落ちてないうちに売るというプレイスタイルがあるぐらいなので、この項目が高い値を示すのも当然。プラモデルは組んでしまった後は売るのが難しくなるだろうから、買ったのはいいが組まずに積んでいたものと考えられる(いわゆる積みプラ)。

さらに「衣類・靴など身に着けるもの」「音楽や映画(物理媒体)など」「カバン・財布・時計・アクセなど」が続くが、15歳の時点でどこまでこれらのものを、自分から売り物として出せるのかと考えると、首を傾げるところも少なからずあるのは否めない。あるいはもらい物もあるのだろうか。それとも使いつぶすことなく、ちょっとでも古くなったらすぐに捨てるか売るという使い方をしているのだろうか。

また「衣類・靴など身に着けるもの」「カバン・財布・時計・アクセなど」は男性よりも女性の方が、揃えている数は多いだろうから、当然売る人の数も多くなるはず。実際、同様の過去調査では2015年時点でこれらの物品は、男性よりも女性の方が高い値を示していた(例えば「衣類・靴など身に着けるもの」は男子高校生が11.0%なのに対し女子高校生は37.7%)。男女別の回答値が公開されれば、そのあたりの実情も分かることだろう。

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※15歳のお金とくらしに関する知識・行動調査

2023年6月15日~7月14日に日本全国の高校1年生に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は3000人。直近の国勢調査の結果を基に、15歳の地域比率にあう形で割り付けを行っている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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