サービス終了を発表した「どうぶつの森 ポケットキャンプ」の成果は #専門家のまとめ
任天堂は、スマートフォン用ゲーム「どうぶつの森 ポケットキャンプ」のサービスを今年11月29日で終了すると発表しました。2017年のサービス開始から約7年間も展開してきた同作について振り返ってみます。
ココがポイント
▼「どうぶつの森」を初めて遊ぶ、久々に遊ぶ人が想定以上にいた。スマホの利点を生かし、コンパクトに遊ばせる狙いで開発。
・ゆるくつながる心地よさ,それが“どうぶつの森らしさ”。「どうぶつの森 ポケットキャンプ」メールインタビューでアレコレ聞いてみた(4Gamer.net)
▼調査会社によると6日間で1500万DLも、スーパーマリオランと比較して半分の推計。
・「どうぶつの森 ポケットキャンプ」のダウンロード数はすでに1500万回を超えている?(IGN Japan)
▼2018年の年間ランキングで、遊ばれる時間の長かったデータ換算では3位だが、課金の売り上げでは10位以内に入らず。
・『ファミ通モバイルゲーム白書2019』で2018年国内モバイルゲーム売上TOP10発表。1位は『モンスト』933億円、2位は『FGO』885億円(ファミ通.com)
▼スマホ版の接触率は、10・20・30代の若い世代でいずれも高い。基本料無料で遊べるスマホゲームの利点が明確に出る。
・「あつまれ どうぶつの森」に関する調査【10代~30代対象】(TesTee Lab)
エキスパートの補足・見解
サービス終了を惜しむ声も多く見かけますが、「どうぶつの森」のスマホ版は狙いがあったにしても、課金的な強さに欠けたことが、第三者の発表データからも浮き出ています。
一方、しっかり遊ばれたデータもありますから、「どうぶつの森」というコンテンツの接触ユーザーを増やし、認知度をより高めたといえます。スマホゲームは何かと収益に目が行くため、厳しい評価をする声もあるでしょうが、「どうぶつの森」というコンテンツ全体で考えると、ニンテンドースイッチで大ヒットした「あつまれ どうぶつの森」という見事な結果が出ていますし、スマホ版の果たした役割は大きいと思われます。
そしてスマホゲームのサービス終了は、普通であればイメージダウンになるところ。しかしサービス終了後にも、プレーしたデータを引き継いで遊べるアプリの配信を予定していると発表しています。これは、自分の好きなもの(ゲーム)を、手元に置いて、いつでも遊べるという「安心感」があるということです。
ビジネスでは、もちろん目の前の高収益を追求することも大事ですが、商品(コンテンツ)に対する好感度・信用度も同じように大事です。顧客(ゲームユーザー)の求めるものを、理解していると言えます。