【書評】『頭がいい人のChatGPT&CoPpilotの使い方』 の『プロンプト』事例集が秀逸!
KNNポール神田です。
『頭がいい人のChatGPT&CoPilotの使い方』橋本大也 著を読んだ。
これは、ChatGPTの使い方がよくわからなかった人への再入門するのにピッタリな書籍だと思う。
この書のとてもユニークな点を述べるとするならば、著者の橋本大也氏の、『ChatGPT』や『Copilot』に対する、使い勝手の良い方法が、具体的な『プロンプト』として数多くの事例を散りばめられている点に尽きる。
そして、それらが、事例を元に、仕事で必要な調べ物を『調査』させ、『考え』させ、『要約』させ、『分類・整理』させ、『シミュレーション』させることができることをステップバイステップで進めている。最終的に多岐にわたるプレゼンの場での『グラフ』や『ダイアグラム』『映像』による表現にまで網羅している。
■この本の『プロンプト』を『写経』するだけで、ビジネスパーソンのAIニーズに対応
なによりも、ビジネスパーソンに必要としている日常的なChatGPTの使い方を、この本に記されている『プロンプト』を『写経』のように打ち込んでいくだけで、数多くの事例をマスターできる。後は、自分の仕事に置き換えることで、自分の仕事に直結するような資料作成をすることができるようになる。
GPTs から 『Whimsical Diagrams』のダイアグラムを選び、P.85の『オンライン教育についてブレインストーミングしてください』を『ライドシェア』に置き換えて『写経』してみた。
https://chat.openai.com/g/g-vI2kaiM9N-whimsical-diagrams
すると、このような『ダイアグラム』を生成してくれる。
そして、これらが、『whimsical.com』のサイトでそのまま拡張していくことができる。マインドマップが好きな人にはとても重宝する。
まずは、『プロンプト』をそのまま『写経』のように書き写していくだけでフルに活かすことができるのがとても便利だと感じた。
無償で利用できるChatGPT3.5やCopilotでも活用できるが、『GPTs』や『DALL-E』などもフルで使いたいので、月額20ドルの有償版を契約して一ヶ月で元を取れるまで使いこなすというのはありだろう。ChatGPT Plusは、契約してすぐ解約しても30日間は使い続けることができる。いつでも復帰するのは簡単で、自分で作成したGPTsなども残っている。
■P.124『ビジネスモデルキャンバス』を作成してください
『ビジネスモデルキャンバス』の9構造をChatGPTは理解しているので、このプロンプトに任意の文字を写経してみよう。
これはいろんな企業のビジネスモデルを一目で理解するのに役立つ。
いろいろと置き換えてみよう…
『マイナンバーカードのビジネスモデルキャンバスを作成してください』
■『◯◯◯のビジネスモデルキャンバスを作成してください』に当てはめるだけでいろいろ分析できる
『GoogleとAppleのビジネスモデルキャンバスを作成してください』
このように、この書の『プロンプト』に自分の専門領域をかけ合わせることによって、応用事例は無数に展開できる。
■『ChatGPT』の使い勝手を良くするノウハウの宝庫
また、この書籍では、日本語ゆえの課題のTipsも網羅されている。
日本語が文字化けする場合の対応には、『Noto Sans Japanese』の活用が提示されている。
日本語フォントは、オープンソースのGoogleのフォントを利用する。
Noto Sans Japanese
https://fonts.google.com/noto/specimen/Noto+Sans+JP
こちらをダウンロードし、『.ttf』形式のファイルを、ChatGPTに『.CSV』などのファイルと一緒にアップロードして分析してもらうのだ。
さらに、これらを『よく使うフォルダ』に、一緒にまとめておくと良いとアドバイスしている。
CSVファイルなども、ChatGPT用に、まとめておく場所を決めるとグラフなどの作成に迷うことがなくなるという。←ついついCSVファイルなどはCSVのフォルダにまとめたくなるが、ChatGPT用のフォルダ一つにまとめておいたほうが、便利で理に適っている。今日からこの方式に変えてみることにした!
■グラフ作成のプロンプト
グラフ作成のプロンプトには、直接『Pythonのmatplotlibを使ってグラフを作成して』などのプロンプトの方が明確だったりする。もちろん、Pythonのプログラムの勉強も、さらに進めることができる。Pythonと相性がとても良いプログラミングの家庭教師としても秀逸だ。いつからでもやり直せて、ずっとつきあってくれる先生でもある。
■日・英の翻訳には『ChatGPT3.5』を併用する!
これは、日・英の翻訳には、『DeepL』を使っていたが、ChatGPT4.0とChatGPT3.5のブラウザのタブを開き、翻訳はChatGPT3.5で展開して、4.0で英語で打ち込むという技も掲載されている。なんといってもChatGPTは、英語での学習量が圧倒的だからだ。
これはなかなか便利だ。『DeepL』だと前回の履歴が複数回クリックしなければ戻れないが、ChatGPT3.5だと利用制限もかからず履歴も遡れる。これだと、翻訳に対して、有料のChatGPT4.0のリソースの使い方が少なくてすむ。また、翻訳くらいならばChatGPT3.5で十分だということもよくわかった。
■ChatGPTやり直しのための一冊として最適!
ビジネスパーソンにとって、ChatGPTを触ったことがない人は、もういないだろうが、十分に活用できていなかった人にとっても、この書は『やり直しのための一冊』として最適だと思う。プロンプトを写経のように写すだけで、著者の使い方のプロセスを後追いすることができた。
日進月歩な生成AIだが、半年毎にアップデートするような出版方法も望みたい。
『プロンプト』のコピー&ペーストできるページもQRコードで欲しいものだ。
生成AIの本質的な使い勝手を、『生成AIは世間知らずの頭でっかちの新入社員』と表現しているように、あくまでも、使いこなす側の人間が『頭がいい人』でなければならないと感じた。また、新たなプロンプトの概念を持って、ChatGPTに対峙したいという気持ちにさせてくれる。