【函館市】何気なく道路を車で走る時に目にしていた景色が歴史ある道だと知ると感慨深いものがあります
全長約3km、自転車と歩行者専用道路として「自転車道路」などとも呼ばれ、通学などに使われ親しまれているこの道が戦争遺跡である「旧戸井線跡」だという事を知っていましたか?
「旧戸井線」とは、戦前に着工された軍事貨物用のために開通を目指した鉄道のことで「JR五稜郭駅」から函館市中心部、下海岸の海岸沿いから旧戸井町の「戸井駅」までの29.2kmを結ぶ鉄道がはしる予定だった道のことです。
9割がた工事も終わっていたにもかかわらず、あと少しで開通というところで戦中の物資不足などで工事が中断され、戦後も工事を再開されることなく幻となった鉄道が「旧戸井線」と呼ばれています。
こちらは「函館大学付属有斗高等学校」前の産業道路から「緑園通り」へ降りて湯の川方面へ向かう途中にある「アーチ橋」です。
橋は、現在も道路として使われていますが、崩落に備えて鉄板で補強をしなければならないほど古くなっています。
こちらは見晴公園通の上の「ライラック橋」です。
国道278号線の戸井線・汐泊川を渡る「旧戸井線遺構」です。
高さは、7~8mくらいでしょうか?
さらに恵山方面へと向かうとあるのが、戸井の手前、汐首岬付近にある近代土木遺産でもある「旧戸井線コンクリートアーチ橋」です。
川を渡るわけではないのに平地がないための解決策として、このような「旧戸井線コンクリートアーチ橋」がつくられたという事は、当時、トンネルを掘ることを極力避けていたという事がよくわかります。
何気なく生活道路として使っていた道や、道路を走っている時に目にしていた景色も歴史ある道だと知ると何だか感慨深いものがあります。