【大人のADHDの人との接し方】を現役プロ心理カウンセラーが、わかりやすくお教えします。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「大人のADHDの人との接し方」というテーマでお話したいと思います。
ADHDとは、注意欠如・多動症という意味です。「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。
ADHDの人には、次のような特徴があります。
1.ケアレスミスが多い。
2.気が散りやすいため、一つの物事に集中することが苦手。
3.自分が興味を持つことや好きな事には、積極的に取り組み集中し過ぎてしまう。
4.物の置き忘れや物を無くすことが多い。
5.片付けや整理整頓が苦手。
6.約束や時間を守ることが苦手。
7.物事の優先順位が分からないことがある。
8.落ち着いてじっと座っていることが苦手。
9.衝動的な発言や行動をすることがある。
以上です。
けれど、今言った症状は、時に多動性が「高い活動性」、衝動性が「優れた決断力や発想力」として周囲に評価されることもあるため、ADHDは、一概に「悪いもの」と決めつけてしまうことはできません。
次に、大人と子どものADHDの違いですが、子どもの場合は、多動性、ちょこまか動くことが目立ちますが、大人の場合は、不注意が目立つようになります。その点が大きく違うところです。
また、ADHDの人は、感情が強く表に出やすい傾向があり、大人になってもこの症状は治まることはなく、衝動的に職場や家庭内で暴言を吐いていしまったり、時には暴力という形で出ることもあります。
また、好きな事に対してのめり込む傾向があるため、アルコールや薬物、買い物、ギャンブル(日本では特にパチンコ)等への依存が問題となることも少なくないです。
ADHDの人は、その症状が子どもの頃から継続して出ているものですが、大人になって社会に出た時に、目標の高さや人間関係の複雑さに対して、周囲から期待される行動を取ることが出来ず、社会性に欠ける人間だと思われてしまうことが生じます。
では、周囲の人は、
大人のADHDの人とどのように接したら良いのでしょうか?
まず、大切にしていただきたいことは、「今のその人、ADHDであるその人の状態を、そのまま素直に受け入れる」という心構えです。大人のADHDの特性はもって生まれたものです。育てられ方や本人のものの考え方ではありません。
そう、頑張れば、特徴を改めることができる…という簡単なものではないのです。無理に責め立てたりすると、本人が自己肯定感を下げ、うつ病などの二次障害を引き起こしかねません。
よって、ADHDの方が持つ特性は、ADHDの特性として受け入れ、その人の実力を発揮できるよう、「環境を整えていく」という発想で支援していくことが大切となるでしょう。
たとえば、仕事の進め方についても、自己流のこだわりを示すことがありますが、その方法で成果が上がり危険がないのであれば、そのままにすることも検討の余地があります。
もし、その方法が危険につながったり、緊急性が高い状況にあるため仕事の進め方を変えて欲しい場合には、直接声をかけ、仕事の進め方を確認していきましょう。そのとき気を付けなければならないのが、大声や威圧的な態度で接してはいけないという点です。
また、ADHDの人の仕事が進んでいなかったり、進め方が分からず困っているような場合には、「何か困っていることはないか?」と声をかけてみましょう。
もし、困っているのであれば、その内容に応じて、解決方法を教えてあげるのが望ましいでしょう。そしてその時は、なるべく具体的な言葉で解決法を教えるよう心掛けましょう。そう、ADHDの人は、抽象的な指示を理解することが得意ではないのです。
今言ったように、大人のADHDの人でも、周囲のサポートにより、十分な仕事上の成果を上げることは可能です。
そのためには理解、周囲の理解が必要です。大人のADHDを持つ人の特性を理解して、それに合った方法で接するようにしましょう。
というわけで、今日は、「大人のADHDの人との接し方」というテーマで、お話させていただきました。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。