中国の物価が低迷。これは日銀が思い描いていた日本の物価予測に近いのでは
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中国国家統計局が9日に発表した2023年7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.3%の下落となった。2021年2月以来、2年5か月ぶりに低下した。
また、中国の7月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比4.4%の下落となった。PPIの低下は10か月連続。消費者物価と生産者物価の両方が下落するのは2020年11月以来となるようである。
中国の消費者物価指数の前年同月比の推移をみてみると、2022年5月から11月までは前年同月比2%を超えるものとなっていた。その後2%を割り込み、今年一月に2.1%に切り返していたが、2月以降は1.0%、0.7%、0.1%と次第に落ち込んできた。
中国ではコロナ禍後の経済回復の遅れが顕著になっている。消費意欲が高まらず物価が低迷する状態が続いている。7月分については、雇用などへの先行き不安に伴う消費の弱さから、自動車やスマートフォンなど耐久財が値下がりしたとされる。
中国の消費者物価の落ち込みをみると、これは日銀が日本国内で起きるであろうと思い描いていた物価の低迷に似たものではなかったろうか。いや、いまだに日銀はそういった想定を元に日本の物価をみているように思える。
それでは中国と日本の物価では、いったい何が違っているのであろうか。これは物価の専門家でもある日銀こそが異次元緩和の検証よりも前に早急に分析する必要があるものではなかろうか。
日本の今回の物価の高止まりは一時的なコストプッシュなどによるものではないことぐらいは素人目にも判断できる。では中国とは何か違うのか。中国のように物価がマイナスに転じることはなく、2%を超す水準に高止まりしているにもかかわらず、日銀は強力な金融緩和策を本当に続けても良いものなのか。