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タイガー・ウッズ、来週のリビエラに大会ホストとして来場!!気になるのは右足の回復と今後出場する数試合

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
昨年大会で優勝したマックス・ホーマの表彰式に臨んだ際のウッズ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来週、タイガー・ウッズの姿を目にすることができそうである。ウッズの財団「TGR」がサポートしているPGAツアーの大会、ジェネシス招待(2月17日~20日)の会場となるリビエラCCに、ウッズがやってくることが複数の米メディアによって確認された。

 とはいえ、出場選手としてではなく、大会ホストとしての来場となりそうである。米ツアーの大会へのエントリーは前週の金曜日、東部時間の午後5時が締め切りであり、あくまでも11日の午後5時までは確定ではないが、ウッズがプレーヤーとしてエントリーしないことは、米メディアやウッズ周辺では、すでに確実視されている。

【昨年12月以来の登場】

 昨年2月の交通事故で右足に重傷を負ったウッズが試合の場、公の場に登場するのは、昨年12月に長男チャーリーくんと出場した親子大会、PNCチャンピオンシップ以来となる。

 あの大会でウッズ父子は優勝争いに絡んだ末、ジョン・デーリー父子に次ぐ2位に甘んじた。だが、命が危ぶまれ、再び歩けるかどうかさえ定かではなかったことを思えば、スムーズなスイングを披露したウッズの回復ぶりは、まさに奇跡を思わせるほどだった。

 しかし、ウッズ自身は、PNCチャンピオンシップに先立って姿を見せたヒーロー・ワールド・チャレンジでの会見で、フルスケジュールでのツアー復帰は「もう二度とない」「決してない」と語り、かつて交通事故から復活したベン・ホーガンを例に出しながら「ミスター・ホーガンのように数試合を選んで出場するつもりだ」「再びゴルフができることがうれしい」、それ以上に「右足があることがうれしい」と語っていた。

【リビエラは特別な場所】

 プレーヤーとして、あるいは大会ホストとして、ジェネシス招待の会場リビエラに、今年、ウッズが足を運ぶかどうかは関係者や米メディアの間では秘かに心配されていた。

 というのも、ウッズが昨年2月に交通事故を起こして右足に重傷を負ったのは、この大会直後だった。事故現場はリビエラからさほど遠くないロサンゼルス郊外のパロスベルデスだった。そのため、あの事故の恐怖体験がトラウマになり、ウッズがリビエラ来場を避けるのではないかと案じる声も一部からは聞こえてきていた。

 しかし、そうした心配は杞憂だった様子だ。ジェネシス招待はウッズ財団がサポートし、ウッズがホストを務める大会だ。そしてリビエラは、かつて16歳のウッズが生まれて初めてPGAツアーの大会に挑んだ場所であり、以後、ただの一度もウッズに勝利をもたらさず、「なぜ、ウッズはリビエラでは勝てない?」はゴルフ界の七不思議の1つとなっている。だからこそ、ウッズはリビエラに特別な想いを抱いており、リビエラこそが2022年の初登場の場となったのだろう。

【気になる右足】

 気になるのは、ウッズの右足の回復の度合いだ。PNCチャンピオンシップの際は、「徐々に良くなっている」と語ってはいたが、相棒キャディのジョー・ラカバは「ラウンドするたびに右足は腫れ上がっている」と明かし、実際、ウッズは毎日、ラウンド終盤はロングショットを息子のチャーリーくんに任せ、自身は小技とパットで勝負しようと努めていた。

 以後、ウッズが右足をはじめとする自身の心身の状態を語ったことはない。だが、おそらく来週は最終日にTV中継局であるCBSの放送席にウッズが座り、右足の状態や今後について何かしらを語ることが期待されている。

【気になる復帰戦】

 そして、もう1つ、やっぱり気になるのは、ウッズが「選んで出る」と言っている数試合がどの試合になるかである。

 米メディアの予想では、今年、ウッズが出場するのは、4月のマスターズ、7月の全英オープン、12月のヒーロー・ワールド・チャレンジあたりとされている。

 右足の状態が良ければ、5月の全米プロや6月の全米オープン出場の可能性もあり、状態がもっと良くなれば、早いところで3月のプレーヤーズ選手権やアーノルド・パーマー招待、6月のメモリアル・トーナメントも候補としては考えられるとされている。

 だが、もはやウッズは無理や無茶はせず、じっくり数試合を選ぶだろうから、米メディアの予想通り、今年は3試合ぐらいの出場に抑えるのではないかと私も思う。

 ウッズの姿、ウッズの笑顔が見られ、彼のトークが聞こえてくれば、それだけでファンも他の選手たちも、みな元気になる。

 そんな正真正銘のカリスマ性というものを、来週、私たちは再び堪能することができそうである。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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