そろそろ「国会議員の働き」を「国民が評価」する仕組みが必要なのではないか 国会議員三ツ星データブック
特定秘密保護法案などで荒れた第185国会が終わった。
今国会は、個人的にも慌ただしい国会だった。
まだNPO法人認証申請中の任意団体だが、『万年野党』というNPOを設立し、事務局長を務めている。
今国会中、その『万年野党』が事務局を担い、有識者らと共に「国家公務員制度改革」「外部取締役など会社法改正」「薬事法改正」「タクシー規制」「若者政治参加特区」と緊急提言を行う説明会を続けた。
説明会には、大臣・党首クラスを含め、自民・公明・民主・維新・みんなと超党派の国会議員が毎回40〜50名程度が集まり政策本意の議論を行い、いくつかのものでは早速成果が出た。
一方で、今国会を見ていると、政策よりも政局本意で動いた部分が多かった様に思う。国会終了後も党の分裂、離党が続き、新党結成などと騒がれる。
国会議員の本来的な活動の主は、国会での活動だと思うのだが、国会議員の国会活動を国民が知るすべはあまりない。
国会議員に選ばれながら、任期中にほとんど国会で発言しないという議員が数多くいる。
こうした国会での活動の現状をデータから評価する『国会議員三ツ星データブック』を発行した。
そろそろ「国会議員の働き」を「国民が評価」する仕組みが必要なのではないだろうか。
今回発行した『183国会版 国会議員三ツ星データブック』は、衆参両院における「質問回数」「議員立法提案数」「質問趣意書提出数」を調査、集計したもので、それぞれのカテゴリーで上位1割程度の議員に☆を付け、某レストランガイド同様に三ツ星で評価したものだが、テレビによく出る議員が一流という訳ではなく、国民が知らない所で活躍する国会議員の発見、自分の応援してきた、また自分の地元が選挙区の国会議員の活動のチェックなど、是非、活用いただければと思う。
参考までに、データから分かるいくつかの事柄を紹介したい。
<自民・公明は☆☆☆を獲得した議員が1人もいない>
『183国会版 国会議員三ツ星ランキング』で☆を獲得した議員の特徴から見ていくと、衆議院で最高の☆3つを獲得したのは、赤嶺政賢(共産)、今井雅人(維新)、大熊利昭(みんな)、柿沢未途(みんな)、小池政就(みんな)、重徳和彦(維新)、篠原孝(民主)、辻元清美(民主)、畑浩治(生活)の9人、☆2つを獲得した議員が36人、☆1つが137人、参議院で☆を3つ獲得したのは、荒井広幸(改革)、谷岡郁子(み風)、中西建治(みんな)の3人、☆2つを獲得した議員が12人、☆1つが82人だった。ちなみに☆を3つ獲得した議員の政党毎の内訳は、衆議院でみんなが3人、民主と維新が各2人、共産と生活が各1人、参議院では、みんな、み風、改革がそれぞれ1人ずつという結果になった。まず、改めて明らかになったのは、政権政党である自民・公明から☆を3つ獲得した議員が1人もいない事も分かった。
<オールゼロ議員には、あの大物議員も>
また、☆を獲得しているような積極的に活動している議員がいる一方で、今回調べた質問回数・質問趣意書・議員立法のどの回数もがゼロで、大臣・副大臣・政務官など政府の役職や委員会の委員長などにもついていない議員、つまり「オールゼロ議員」とも言える議員もまた数多くいる。
衆議院に43人、参議院に15人、計58人いる。政党別割合を見ると、自民が圧倒的に多い事が分かるのだが、野党の中には元総理や元代表など「大物」と言われる様な議員も多い。ここではあえて名前は出さないが、こういう議員を見つけるのも『国会議員三ツ星データブック』の使い方かもしれない。
<国民の目が国会での活動を変えるキッカケに>
欧米では、有権者による政府や議会への監視の仕組みが様々整備されている。日本では、こうした取り組みはまだまだ始めたばかりではあるが、これまでは、あまりにも国会や議員の活動がブラックボックスの中にあり過ぎた。有権者自身も選挙の時だけ投票すればいいではなく、自分が投票した議員、選挙を応援した議員、自分の選挙区の議員、支持政党の議員がどのような活動を、どの程度行っているのかについても、知ってもらう事が重要だ。外の目にさらされる事が、国会および国会議員の活動の活性化につながればと思っている。なかなか目を向けられる事の少なかった国会での議員や政党の活動ではあるが、こうしたデータから、少しでも関心を持ってもらうキッカケになればありがたい。
『国会議員三ツ星データブック』 万年野党 会員に配布中
万年野党については、こちら<https://www.facebook.com/yatoojp>
高橋亮平
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