危ない!そのアプリ、恐喝アプリかも?
ファイルを暗号化してアクセスできなくしてしまい、それを解除してほしければ金を送れ!というパソコンの世界では有名なランサムウェアがあります。そのスマホでの進化系が問題となりつつ有ります。パソコンのように仕事等で重要なファイルを保存しているわけでなく、起動しなくなるならともかく(起動しなくなると脅迫も出来なくなるので)、ファイルにアクセスできなくとも、慌て取り乱す度合いは小さいでしょう。アクセスできるように、その方法を検索して再設定する方法を探し出す余裕もあることでしょう。純粋なランサムウェアだけではスマホでは効果が期待できないのです。そこで考えられた手法が、スマホの特性を生かし、画面を見ている人の写真を撮ることで冷静さを喪失させることでした。自分の顔写真を取られ、それを公開するからといっても、冷静に考えれば、それほど大きなダメージを与えられるわけではありません。アダルト動画に関するアプリをインストールし、見ようとした事の「後ろめたさ」から冷静さの喪失に拍車をかけるのです。
詐欺や恐喝の基本は相手に冷静さを失わせる事です。その点、アダルト動画を見るという、いわゆる昔からの、いわれのないアダルトサイトの会員料金を不正に要求するワンクリック詐欺と同様、古典的な手法です。しかしAndroid向けの修正として、画面を見ている利用者の写真を撮るというのは斬新的でした。
「後ろめたさ」と「冷静さの喪失」、これが恐喝ソフトウェア(blackmail)の基本です。大概の場合、著作権を侵害する等、不正な方法で得たソフトウェア(アプリ)を導入する後ろめたさを利用して、その事実を含む、個人のプライバシーを公にすると脅し、冷静さを失わせて、罠にはめる手口は数多く出現することでしょう。後ろめたさを軽減するために、Google Playからのアプリであっても完全に信頼できるわけではないので、必要なアプリ以外はインストールしない事です。そして慌てない「鈍感力」も大事です。この「後ろめたさ」と「冷静さの喪失」への対策が基本なのです。
逆にマルウェア(不正アプリ)としては、この「後ろめたさ」と「冷静さの喪失」をどう作り込むか、そのシナリオ作りが肝になってきます。