【土浦市】*どら焼きも絶品*思わず見とれる美しさ。見ためも味も楽しい「和菓子 圡門」がオープン!
2022年2月に「和菓子 圡門」がオープンしました。一度食べたらハマるどら焼きや「これ、洋菓子では?」と疑いたくなるほどにモダンでおしゃれお饅頭や蒸し菓子、上生菓子まで、お店の規模は小さいながらも全部欲しくなるようなおいしくてビジュアルも美しい和スイーツが充実しています。
土浦駅から車で約10分。354号線沿いの右側で飲食店が軒を並べる建物の一角に「和菓子 圡門」はあります。
和菓子作りも販売も土門さんご夫婦が担っています。
おふたり曰く「うさぎと亀のような性格の夫婦」。
新しいことにチャレンジするのが大好きな“うさぎ”のご主人と、じっくりと腰を据えてお菓子作りに向き合う“亀”の奥様。
そんなおふたりが力を合わせてつくる和菓子は、伝統を受け継ぎながらも今時のアレンジも加味。“温故知新”という言葉がしっくりとなじみます。
お店に入るとすぐ左側にショーケースがあって、奥が工房になっています。和菓子屋さんにしては珍しいオープンスタイルの工房です。
「私たちが以前勤めていたお店が工房の様子を見られるようになっていたんです。自分たちがお店を構える時にも“見せる和菓子屋”にしようと決めていました」と、ご主人の土門邦光(どもんくにみつ)さん。
お客様を声や表情を近くで感じられることがおふたりの遣り甲斐にもつながっています。
土浦では数少ない上生菓子も買える!季節を表現した和菓子にうっとり
四季の移ろいや花鳥風月(自然界の美しい景物)を表現したお菓子を上生菓子(じょうなまがし)といいますが、土浦市やその周辺のエリアでも上生菓子を扱っているお店はそう多くありません。
それだけでもこのお店を訪れる価値はあるのですが、その見た目がたまらなく美しく、まるで芸術品を食べるような贅沢な気持ちになれます。
取材に訪れた日に販売していたのは春をお題にした上生菓子(各250円)。
生菓子はいつも同じものが買えるという訳ではないのです。季節はもとより、その時の気候や土門さんご夫婦の「気分」で変わってきます。
「今度訪れたら何があるかな」というワクワク感とドキドキ感を味あわせてくれます。
上生菓子を作っているところを見せてもらいました、何をつくっているでしょう?
すっかり「圡門」の上生菓子のトリコになっていますが、どうやって作っているのか気になって工房で作っている様子を見学させてもらいました。
さて問題です、一体何を作っているのでしょうか。
薄くのばした練り切りあんにあん玉を乗せてくるんに丸めます。
(練り切りあんの表面にほんのりピンクのあんも乗せてあります)
弧を描いた型でくぼみを作ります。
先が丸いへらを使ったくぼみを作っていきます。
櫛のような形の型で筋をつけていきます。
小さな丸いあんを乗せてその中央にくぼみを作ります。
もうなにを作っているのか分かってきましたよね!
答えは鯉のぼり!
ぽてっとしたフォルムがとってもかわいいです。男の子のお子さまのいるおうちへのこどもの日の手土産にもぴったり!
定番お菓子も絶品!圡門で人気の和菓子3選
上生菓子のことばかり夢中になって書いてしまいましたが、「圡門」にはそれ以外にもおいしい和菓子がたくさんあります。ここでは、中でもおすすめの和菓子を厳選してご紹介します。
■圡ら焼(各180円)
パッケージにうさぎと亀が描かれている「圡門」のどら焼きは、土門さんご夫婦がまさに意見をぶつけ合いながら作り上げた集大成です。
甘いどら焼きを作りたいご主人に対して奥様が作りたいのはその真逆の甘さ控えめ。そうして何度も試行錯誤を重ねて完成したのは、“甘すぎない”作りたてのどら焼きです。
生地はプレーンと麦の2種類から選べます。
こちらがプレーン。ふっくらと焼き上がった生地と食べ応えのある“甘すぎない”あんのハーモニーが最高です。
こちらが麦圡ら焼き。見た目からして「お、なんだこのどら焼きは!」なのです。黒糖のような黒い生地。実際に味わってみると麦の香りが鼻に抜けて視覚や味覚だけでなく、嗅覚でも楽しく味わえます。
上の2枚の写真のあんをよく見てください。あんの粒が大きいのがお分かりになりますでしょうか。「圡門」のどら焼きでは、食感も楽しんでほしいと粒の大きな小豆をふっくらと炊いているんです。
どら焼きは1つ食べるとずっしり重い感じがしますが、「圡門」のどら焼きはなぜか軽いのです。でも食べ応えがあって、甘すぎず、食感も香りも楽しい。ありそうでなかった味わいです。
■奏(そう)(各180円)
カラフルな見た目は和菓子というよりは洋菓子のような「奏(そう)」は、あんをたっぷり使った「浮島」という蒸し菓子を圡門流にしっとりとアレンジした一品です。
季節によって味わいが違ってきますが、取材にお伺いした時期はプレーン(写真左上)、抹茶チョコ(右上)、ゆず(左下)、ごま(右下)の4種類をラインナップ。
蒸しケーキのようにしっとりとしていながら、味わうと確かに和菓子。この意外性に思わず「お!」っとつぶやいちゃいます。
私のおすすめの食べ方は、最初にプレーンでベースの味の魅力を知って、それから違う味を楽しんでいきます。抹茶チョコ、かなり推しです。
■たくみに香る。(180円)
こちらは焼き菓子で、なにやら気になるキャッチフレーズ「たくみに香る。」が商品名。
この焼き菓子は、AGFが主催する「コーヒーを用いた和菓子のコンテスト」入賞作品でもあり、コーヒーを食べるような不思議な感覚を体験できます。
皮からも中のあんからも香るコーヒー。
上にちょこんと乗ったくるみが口直しのエッセンス。コーヒーのお茶請けにおすすめです。
これお目当てにやってくるお客さま多数! 季節の生菓子
季節の生菓子は、その通り季節ごとに違った味わいが楽します。4月に訪れたときはわらび餅。
取材には14時に訪れたのですが、わらび餅はすでに完売(上の写真は以前購入したわらび餅)。季節の生菓子を狙うなら早めの来店がおすすめです。
店頭のわらび餅の説明に「本わらび粉をぜいたくに使用」と書いてあります。本わらび粉とは、わらびの根からできてるものなのですがこの根を掘り起こす作業が大変で、専門の職人さんがいるほど。掘り起こした根を粉にする作業も手間と時間がかかるので、とても貴重なのです。
実際に味わってみると、表面のきなこの香ばしさにわらび餅のくにゅんくにゅんとした食感、甘すぎないあんのおいしさが重なってとっても幸せな気持ちになれます。
季節の生菓子には、4月16日より柏餅も登場していますので、合わせてぜひ!