主力放出に先立ち、ドラフト指名権と交換に若手を獲得。この動きが意味するのは…
7月11日、カンザスシティ・ロイヤルズは、ドラフト全体35位の指名権と交換に、アトランタ・ブレーブスから3人のマイナーリーガーを獲得した。外野手のドルー・ウォーターズ、右投手のアンドルー・ホフマン、三塁手のCJ・アレクザンダーだ。
ロイヤルズが最も欲しかったのは、スイッチ・ヒッターでセンターを守る、ウォーターズだと思われる。アトランタ生まれのウォーターズは、2017年のドラフトでブレーブスから2巡目・全体41位指名を受けた。ここ2シーズンはやや精彩を欠くものの、2019年はAAとAAAの計134試合で、打率.309と出塁率.360、16盗塁を記録した。ホームランは7本ながら、三塁打は9本、二塁打は40本を数えた。現在の年齢は、まだ23歳だ。
勝率.400に届かず、地区最下位にいるロイヤルズは、夏のトレード市場で売り手に回る。レフトのアンドルー・ベニンテンディは、今オフにFAとなる。センターのマイケル・A・テイラーは、来シーズンまでの契約だ。ベニンテンディはもちろん、交換条件さえ折り合えば、テイラーもこの夏に放出するだろう。
であれば、ベニンテンディかテイラーと交換に、ブレーブスからウォーターズを手に入れてもいいように見える。けれども、ブレーブスは、昨夏と違い(「夏のトレードでこのチームが外野手を4人も獲得した理由。いずれもシーズン30本塁打以上の実績あり」)、外野手の補強を必要としていない。レフトにエディ・ロザリオとアダム・デュボール、センターとライトにはマイケル・ハリス2世とロナルド・アクーニャJr.がいて、DHのマーセル・オズーナも外野を守ることができる。
また、この5人の外野手のうち、今オフにFAとなるのはデュボールだけだ。あとの4人は、球団オプションも含めると、少なくとも2024年まで保有できる。なかでも、ハリスは5月下旬にデビューしたばかり。また、アクーニャJr.と交わしている8年1億ドルの契約は、2026年まで続き、さらに2年分の球団オプションがついている。ブレーブスにとって、ウォーターズは手放すことのできない選手ではなかった。
ブレーブスは、3月にオークランド・アスレティックスからマット・オルソンを獲得した際にも、センターを守る23歳のクリスチャン・パチェ(と他3人)を放出している。