猫が『水を飲まない』ときの対策法!水分補給を促して病気になりにくい体をつくろう
猫はもともと砂漠地帯で暮らしていた動物であり、水分をあまり摂らなくても生きていける身体を持っています。
そのため飼い主さんのなかには、愛猫の水分摂取量に不安を感じることがあります。
とくに腎臓病や尿路疾患は猫の健康に大きな影響を与える病気の一つであり、適切な水分補給がそのリスクを減らすためには欠かせません。
1.なぜ猫は「水を飲まない」?
猫が水を飲まない原因は、いくつか考えられる要因があります。
まず、猫は基本的に自分から進んで水を飲むことが少ない動物であること。
野生の環境では獲物(小動物:水分量70%ほど)から得られる水分で水を補えたため、意識的に水を飲む習慣が少ないのです。
もうひとつは、猫の体の構造に秘密があります。
猫の祖先は実は砂漠地帯で過ごしていました。そのため少ない水でも有効活用できるように、体が進化しているのです。
しかし現在のイエネコが食べているものは、ドライフード(水分量10%ほど)が一般的。
つまり野生下の猫のように、食事(獲物)からは十分な水分を補えません。
したがってフードとは別に水分を補給させないと、水分不足に陥りやすくなってしまいます。
2.猫が水を飲まないときの対策5選
猫が水を飲まない場合、さまざまな対策を試してみることで水分摂取を促進できます。以下にいくつかの効果的な方法をご紹介します。
2‐1. 飲み水の質と温度を調整する
猫は敏感な動物なので、水質や温度が気に入らないと飲まないことがあります。
たとえば猫が水道水を嫌がる場合は、フィルターを通した水を試してみてください。カルキ臭も柔らぎ、猫も飲みやすくなるかもしれません。
また水の温度も重要です。冷たい水が好きな猫もいれば、常温の水を好む猫もいますので、いろいろな温度を試してみましょう。
ただし人用のミネラルウォーター(硬水)はNG。ミネラル分が多く含まれており、猫にとっては尿路結石といった病気のリスクをがあるといわれています。
ミネラルウォーターを与えるなら、軟水もしくはペット用のものを選びましょう。
【ひとこと】わたしの愛猫は、とくに冬場に飲水量が少なくなります。水が冷たいのが嫌みたいで、少し温かめの水をあげたら飲んでくれました!
2‐2. 清潔な飲み水を提供する
猫はとても清潔な動物です。水の容器が汚れていたり、古い水が入っていたりすると、飲むのを嫌がることがあります。
そのため毎日水を新鮮なものに交換し、容器も定期的に洗浄しましょう。
ステンレスや陶器のボウルはプラスチック製のものよりも清潔に保ちやすいので、おすすめです。
2‐3. 複数の飲み場所を用意する
猫の活動範囲には、複数飲み場所を設置しておきましょう。
猫は水を積極的に飲まないので、「水を飲もう」と思ってもその場に水がないと、わざわざ水飲み場まで行こうという気持ちにはなりにくいのです。
そのため猫がどこ部屋で休んでいても、すぐに水が飲めるよう設置しておくことが大切。
家の中に複数の水入れを、猫が行き来する場所に置いてみてください。
とくに静かで落ち着いた場所に置くことで、猫が安心して水を飲める環境を整えられます。
2‐4. 流れる水を試す
水をお皿で飲まない猫は、「流れる」水を試してみてもいいでしょう。
猫のなかには流れる水を非常に好み、楽しさ半分で水を飲むような子もいます。
とくに水道の蛇口から流れる水を好む猫は多く、「水嫌い」である猫が、びしょびしょになりながら水を飲む姿は面白いものです。
ほかには、循環するタイプの水飲み器を使ってみるのもgood。
常に新鮮な水が流れているため、猫が水に興味を持ちやすくなります。
【ひとこと】我が家の猫の場合は水道から直接水を飲むのが好きですが、猫自身がびしょびしょになりますし、周囲も水浸しになるので循環型の水飲みを取り入れました…(笑)。
お皿では飲まないんです。こだわりなのかもしれません…
2‐5. ウェットフードやおやつで水分を補う
どうしても水単体で飲まない猫は、ウェットフードや水分補給ができるおやつを活用してみましょう。
水をあまり飲めていないうえにドライフードだけでは、十分な水分を摂取できてない可能性が高いため、ウェットフードを与えて自然と水分摂取量を増やしてあげます。
ドライフードに水を含ませるだけでもOKですし、市販のウェットフード(総合栄養食)を与えるのもいいです。
また主食とは別に、水分補給ゼリーや液体おやつを与えて水分を多く摂らせてあげるのもgood。
ただし与えすぎには注意なのと、獣医師からの食事制限がある場合は、一度担当医に相談してくださいね。
3.まとめ
猫はもともと水を飲まない生き物であるため、積極的に水を飲ませようとするのは至難の業かもしれません。
とはいえ猫が水を飲まないと、泌尿器疾患のリスクを高めることにも繋がります。
そのためもし「愛猫がまったく水を飲まない」と感じたら、今回紹介したような対策を実践して、猫がなるべく多くの水を摂れるよう工夫してあげましょう。