毎年12月になると、駅前の小さなパン屋さんに、もこもことしたクリスマスパン「ホワイトツリーのパン」が並びます。

真っ白で、ふわふわとしたそのパンは、まるで綿あめか雲のよう。

でも、初めてそのパンを見たお客さんは「クリスマス前なのに、シンプル過ぎて少し寂しいような」と感じるかもしれません。

「真っ白なのには、とても大切な理由があるの。でも、それを話すのはまだちょっとだけ待ってて」と話す店主。一体これはどんな商品なのでしょう...？

年の瀬も迫る12月のとある日の夕方。

外が真っ暗になるころ、小さなパン屋さんの厨房で、静かな作業が始まります。

店主は、ふわふわのパン生地をやさしく型に巻きつけ、オーブンの中できつね色のコロネパンを焼き上げていきます。

パンがこんがりと焼ける音は、まるでパンが「もうすぐできるよ！」と言っているみたい。

その後、店主はひとつひとつていねいに、パンを湯煎で温めたホワイトチョコレートにくぐらせていきます。

そして、チョコレートがまだ固まらないうちに、選び抜いた色鮮やかなクランベリーを素早くてっぺんにトッピング。

さらに、銀色に輝くケシの実を、ふわりとパンの上に飾りつけます。

出来上がっていくパンを眺めながら、店主はこう言いました。

「真っ白の理由はね、このパンを“聖夜を照らす『白いロウソクと炎』”に見立てているからなの。クリスマスケーキの上に、ロウソクを灯すでしょう？」

「だからね、パンの上に乗せるクランベリーは、真っ赤な色をしたものだけ。パンの中には優しい味の白いカスタードクリームがたっぷり入っているの」

「頭の上のクランベリーからお尻まで、丸ごと全部美味しく食べられるように、底にはパリッとローストしたスライスアーモンドを付けてね！」と笑います。

こうして、静かな夜の光に包まれながら、小さなパン屋の店内は、夜な夜な「ホワイトツリーのパン」でいっぱいになっていくのです。

クリスマスを心待ちにする街ゆく人が、「毎日笑顔で過ごせますように」と想いを込めて、“パンのロウソク”を灯しながら...。

そんな「ホワイトツリーのパン（270円）」を作るのは、「藤沢本町駅」から徒歩約20秒のパン屋さん『JACOMO'S a Bakery（ジャコモズアベーカリー）』。

そうです、あの豪快な惣菜パンたちが並ぶ、駅前の小さなパン屋さんです（昼時は行列も目立ちます）。

店主の河野さんは「『ホワイトツリーのパン』は、20年前の創業当初からずっと愛され続けてきた人気商品です。年々その製造数は増加し、現在では当時の約10倍もの数が売れるようになりました」と振り返ります。

「クリスマスイブ直前に駆け込み注文をしてくれるのは、常連客の鈴木さんね。近所の独身寮に住む男性社員の方々も、毎年照れくさそうに購入してくれるね！」と、「ホワイトツリーのパン」ならではのクリスマスエピソードとともに。笑

ちなみに…

お味はかなり意外なもの。

ホワイトチョコレート×カスタードクリーム（同店で販売されている「たっぷりんこクリームパン」と同じカスタード）の組み合わせから、濃厚な甘さを想像させますが、口の中に甘さや油分がほとんど残らない、非常に軽やかで上品な仕上がり。思わず2個、3個と手が伸びてしまう、ちょっと不思議なスイーツパンです。

個包装となっているので、12月ならではの気軽なギフトとしてはもちろん、生クリームが苦手な方へのケーキ代わりにもぴったりですよ。

なお、同商品の販売は、2024年12月25日までを予定しているとのこと。

閉店時間を待たずに完売してしまう商品ですので、購入を検討されている方や、まとめて注文を希望される方には予約をおすすめします。

ボリューム満点な惣菜パンから、しっとりとしたエピソードを持つ「ホワイトツリーのパン」まで、個性豊かな商品が多くのお客さんに愛される『JACOMO'S a Bakery』。

本日は、270円で年末気分を盛り上げてくれる、手頃で美味しい冬の人気商品をご紹介しました！

※パンの焼き上がり時間など、最新情報はお店の公式 Instagram（外部リンク）で発信しています。ぜひチェックしてから足を運んでくださいませ。