ストーカー男に付きまとわれた平安時代の美女!衝撃的なクライマックスに目が離せない!
平家物語といえば、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 」の書き出しから始まるフレーズが有名な古典文学作品です。
そんな物語に登場する絶世の美女・小宰相局(こさいしょうつぼね)はご存知でしょうか。
誰もが振り返るような美貌を持つ宮仕えの女中であった小宰相局は、一人の男性と恋に落ちるのですが、予想もしない衝撃のクライマックスを迎えます。
平家物語とは
平家物語とは、貴族社会のなかで誕生した侍や武士といったイレギュラーな存在が「平家」と「源氏」に2極化し、覇権を巡って争った史実を書き記した軍記物語のことです。
平家物語が完成したのは鎌倉時代のことで、作者については徒然草の著者・吉田兼好ともいわれていますが、謎に包まれたままです。
絶世の美女・小宰相局
小宰相局は、宮仕えの女中の1人でした。
どの女中よりも美しい美貌を持つ彼女の容姿は多くの男性を夢中にさせ、時の権力者・平家の出である「平通盛」をも一目惚れさせたほどです。
ストーカー男
小宰相局に一目ぼれした平通盛は、恋文を送りました。
しかし、送っては断られ、送っては断られの繰り返し。
父の兄に平清盛を持つ平通盛は朝廷への影響力もある人物でしたが、一代でのしあがってきた平家の実力を信用していない小宰相局には受け入れられなかったのです。
それでも諦めきれないストーカー男こと平通盛は、牛車で移動中の小宰相局をダッシュで追いかけ窓口から恋文をポストイン!という強硬手段に打って出ました。
小宰相局も衝撃的だったのでしょうか…このことがキッカケで2人は付き合うことになったといいます。
幸せな夫婦
平通盛は、小宰相局のことを心から愛しました。
小宰相局も平通盛の愛を一心に受け、2人は仲睦まじい夫婦生活を過ごしたといいます。
しかし、そんな幸せも長くは続きませんでした。
夫の戦死
1184年3月20日 、平家と源氏の決着を決める大舞台「一ノ谷の戦い」が勃発します。
源氏の英雄・源義経を相手に苦戦を強いられ、追い詰められた平家軍はあえなく敗戦。
このときに平通盛も戦死してしまいます。
このことを知った小宰相局は悲しみに暮れ、ついには大海原に身を投げ捨てたのでした。
小宰相局が自殺を図った際、彼女のお腹には新しい命が芽吹いていたといいます。
小宰相局の墓の看板
平家物語に記された衝撃のクライマックスには、心が揺さぶられた方も多いのではないでしょうか?
生まれ変わった2人が幸せになれていることを祈るばかりです。
徳島県鳴門市には「小宰相局の墓」が祀られています。
2023年8月6日時点(記事取材時)では、天候などによる影響から悪路となっていて、通行止めの状態です。
通行できるようになりましたら、ぜひ足を運んでみてくださいね。